ZFジャパンが電動トラックを発表したわけとは? グローバルから日本市場ニーズへの提供へ(PR)

・騒音レベルの改善だけではない「質」も大事

大野:一方で、騒音レベルは間違いなく大幅に改善されていますが、音質の面ではさらに改善していきたいと考えています。EVの場合、エンジンや排気系から出るものとは異なる高周波の音が発生します。ある人には、それが不快な音と感じられる場合もあり得ます。したがって、できるだけ多くの人に受け入れられるような玉成を行っていきます。

— 単純に、静かであればいい、というわけではないのですね?

大野:そうですね。音の大きさと同時に「質」が重要です。また、駆動系から発生する音のボリュームが小さくなれば、必然的にその他の騒音が目立つようになります。ドライバーの快適性を高めるための、全体的な調整が大切です。ZFはトランスミッションやシャシ関連で豊富なノウハウをもっています。そうした知見を合わせ、快適性の面でも、トータルとしてベストなソリューションを自動車メーカーにご提案していきます。

— その静粛性と加速性能を実現している電動ドライブについて教えて下さい

大野:「CeTrax lite(セトラックス・ライト)」という製品です。電動モーター、減速機とインバーターを一体化するとともに、新しい冷却システムを導入して軽量・コンパクトさと動力性能を両立しています。ZFでは「プラグ・アンド・ドライブ」コンセプトと呼んでいますが、既存車両のプラットフォームに大幅な変更を加えることなく搭載が可能な設計になっているのも、完成車メーカーには大きなメリットだと思います。

— このプロトタイプの開発は、ドイツ本社と連携しながら、ZFジャパンが主導したと聞きました

大野:そうです。横浜にZFジャパンの「ジャパンテックセンター(JTC)」があります。私もそこに勤務しておりますが、ドイツ本社の電動ドライブ開発チームと連携を取りながら、JTCが日本市場固有の要件を満たすことを念頭に開発作業を行いました。外資系のサプライヤーに対しては、日本固有の要望に充分な対応を行うことが難しいのでは、という印象を完成車メーカーは持っていると思います。JTCは、日本のお客さまと話をしながら「ドイツを動かす」というスタンスです。ドイツの良さは活かしつつ、それをできるだけ日本のニーズに合致させるというトコロには、個人的にもやりがいを感じています。今後はさらに一歩進んで、日本市場におけるお客さまのニーズを把握し、それを製品開発の段階からドイツ本国での作業にフィードバックする体制を確立していきたいですね。

— ZFグループのグローバルなリソースを日本市場向けに集約・最適化するということですね

大野:そこまで大げさなことは考えていませんが…、ドイツとの橋渡しをしながら日本市場により良い製品・技術を提供していきたいと思います。今回発表したプロトタイプは、JTCのノウハウの一部を具現化したものでもあります。できるだけ多くの方々に乗っていただきたいと思います。

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世界40か国で事業を展開するグローバル企業であるZFは、2018年の連結売上高が369億ユーロ(およそ4兆6000億円)に達しました。研究開発費はそのうちの6%、3000億円を超えるそうです。グループ全体の豊富なノウハウと、人的・経済的リソースを使って開発された新しいテクノロジーを、日本市場のニーズに合わせたソリューションとしてJTCが提案していく。より静かで運転しやすく、かつ効率の高い商用車の実現は、日本の運送業界とそれを活用する私たち消費者にも大きなメリットがありそうです。

(Toru Ishikawa)

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