BMWが初の渋滞時手放し運転「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」をオプション設定へ

●日本向けモデルに「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」を搭載へ

国土交通省は2017年10月10日、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部改正について」として、車線維持支援機能に関する国際基準を導入すると発表しました。

これは、クルマの車線逸脱警報やレーンキープアシストといわれる自動操舵機能のうち、ステアリングを握った状態での車線維持支援機能、補正操舵機能、自動駐車機能に関する国際基準が、国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)において策定されたことを踏まえ、日本でも同基準を導入するという内容です。

国土交通省では、上記の自動操舵機能のうち、ステアリングを握った状態での車線維持支援機能、補正操舵機能、自動駐車機能を搭載するクルマは、「かじ取り装置に係る協定規則(第79号)」に規定された各機能についての要件に適合しなければならないとしていて、同年10月10日より施行されています。

「かじ取り装置に係る協定規則(第79号)」では、試験車両の最高速度、質量、空気圧など細かい測定値があり、試験における測定記録も車速、停止距離、操作力、トルクなど細かく決められています。

2019年4月10日、BMWは、日本向けモデルとしては初めて「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」を搭載した車両の開発を完了し、2019年夏以降に順次日本に導入する予定と発表しました。

同機能は、自動運転でのSAE規格のレベル2で、テスラやメルセデス・ベンツ、日産などの多くのメーカーが採用済みです。なお、アウディはA8でレベル3を技術面では実現していますが、「法整備待ち」により同機能を搭載したA8自体はまだ発売されていません。

BMWが2019年夏以降、3シリーズ、8シリーズ クーペ、8シリーズ カブリオレ、X5から搭載し、対象モデルを順次拡大予定としている「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」は、高速道路(高速自動車国道法に定める高速自動車国道、及び指定都市高速道路に分類される道路)での渋滞時において、ドライバーの運転負荷を軽減し、安全に寄与する運転支援システム(レベル2)としています。

同機能では、絶えず前方に注意するとともに、周囲の道路交通や車両の状況に応じて直ちにハンドルを確実に操作することができる状態にある限りにおいて、ステアリングから手を離して走行が可能になるそう。つまり、絶えず前方を注意し、すぐにステアリングを握れるようになる(オーバーライドできる)という条件付き。

「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」を搭載したBMW各モデルは、認可取得後に、工場生産オプションまたはBMW正規販売点で販売されるディーラーオプション(車両アクセサリー)として提供する方針としています。輸入車であるBMWがいわゆる「65秒ルール」に縛られるのか、国土交通省のお墨付きなのか現時点では分かりませんが、確認ができましたらご報告します。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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