MMTh・一寸木CEOが語った「エキスパンダー」の人気の秘密とは?【バンコク・モーターショー2019】

3月下旬、タイ王国バンコク近郊で開催されたバンコクモーターショーの会場で、三菱自動車タイランド(MMTh)の一寸木守一取締役兼CEOに直接お話を聞く機会があった。プレスカンファレンス前の忙しいタイミングであったため短い時間となったが、話題のエキスパンダーについて少しだけお話をお聞きした。

── 今、東南アジアでエクスパンダーが大人気ですが、タイの供給状況はいかがなのでしょう?

一寸木CEO「おかげさまでエキスパンダーは非常に好調です。タイでもすでに1万台のオーダーをいただいています。私たちはエキスパンダーをMPVと呼んではおらずクロスオーバーと呼んでいます。それがよく現れているのがトヨタさんのMPVの売れ行きなのです。エキスパンダーが発売された以後もトヨタさんのMPVの台数はぜんぜん減っていないのです。つまり、オントップで台数が増えたわけで、このジャンルのクルマがタイでは非常に受け入れていることになります。タイでは今でもピックアップトラックが43%のシェアを誇っています。主力はピックアップなのですが、一般的な乗用からエキスパンダーに移行していることが感じられます」

── いわゆるコンパクト系からの乗り換えということでしょうか?

一寸木CEO「コンパクトカーというよりも、タイで言うところのエコカーからの乗り換えです。タイのエコカーというのは一定の条件を果たしたクルマがエコカーとして認定されて減税などの恩恵が受けられました。現在はエコカー第二弾の政策が始まっていますが、エコカー第一弾でクルマを買った人達がちょうど5〜6年経過、子供も大きくなったということでエキスパンダーに乗り換えるというパターンが増えているのです。今はBセグメントのクルマよりもエキスパンダーが受けています」

東南アジアを中心に大ヒットとなっているエキスパンダーは、今後しばらくは勢いを保ったまま売れ続けそうな雰囲気です。

(文:諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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