【レッドブルエアレース2019】速報! 室屋義秀選手は予選1位で決勝へ〜第1戦がアブダビで開幕

レッドブルエアレース12シーズン目が開幕!

2019年の初戦はアブダビがステージ

2019年で12 シーズン目となるレッドブルエアレースが開幕です。初戦は2月8-9日、アブダビを舞台にスタートです。

レッドブルエアレースは、レース専用の飛行機により空気で膨らませたパイロン間を通過、周回し、飛行タイムを競い合う、3次元モーターレースです。ヨーロッパ、アジア、アメリカなどを転戦し、ポイントで年間チャンピオンを決定します。

レースの進行は、予選では2回ずつ飛行しベストタイムを出した選手、本戦では1対1の対決で最終的な勝者を決めていきます。

2018シーズンから2019シーズンへの主なルールの変更点は

・予選ポイントの付与。予選通過順位が1〜3位でポイントを獲得。最終順位の獲得ポイントと合算して順位を競う。

・最大Gが10Gを記録した時点で1秒プラス(2018は11Gが0.6秒続くと2秒プラス、また12G記録でDNF(Do Not Finish=無効)のルールは2018年と同様のペナルティとなる。

といったところ。

1Gの違いというのがどれほどのものか、普段走っている自動車のブレーキは空力などのブレーキを除けば理論上1Gまでが限界。10G前後の世界で戦う中での1Gの違いとはどのようなものなのか、予選前の室屋義秀選手に聞いてみました。

—普段、我々が動かしている乗り物である自動車にはGメーターが付いていません。エアレースに出場する飛行機には付いていると思いますが、それを見ながらGを調整しているものなんでしょうか?

室屋選手「メーターは見てないです。見ていても間に合わないので感覚ですね。いろんなアラートが鳴るようにもなってますが、その時はもう遅いということになります」

—その1Gの差はトップの選手であればやはり大きく違って感じとられるものでしょうか?

室屋選手「もし1G低ければ、コンマ2〜3秒遅くなって勝つことは難しくなってしまいます。なので、その差はかなり大きいと言えます。ただ単に安全に行けばいいというのではなく、どこまで攻められるかが勝負になりますね」

—その他の計器類は見たりするのでしょうか?

室屋選手「計器類は見る時間はないですね。例えばGが完全にかかるまでは0.2秒とか、人間が動かしても機体のリアクションにさらに0.1秒くらい、0.3秒くらいで12Gくらいまではいくこともあるので間に合いませんね。

—最高速度はどれくらいなんでしょうか?

室屋選手「スタート地点で370km/hくらい、アベレージですと320-330km/hですがここ(アブダビ)ではもう少し速いですかね。

コンマ何秒という中でのコントロールを当たり前にできなければ操縦することさえできないということでしょう。

2019年は地味に強く戦っていくという室屋選手、その意味は、バックグラウンドとして研究開発やトレーニングを着実にこなし、一か八かの勝負に出るのでなく、毎回地道に確実に上位を狙っていくということでしょう。

練習タイムでは最速をマークし、予選では53秒024と見事1位のタイムを叩き出しました。これで、既に3ポイント獲得したことになります。明日の決勝にも大きな期待が持たれます。

(clicccar編集長 小林 和久)

<レッドブルエアレース2019アブダビ予選結果>
1.室屋 義秀 Japan
1ST RUN00:53.516
2ST RUN00:53.024
RUN TIME00:53.024

2.ピート・マクロード Canada
1ST RUN00:54.468
2ST RUN00:53.240
RUN TIME00:53.240

3.マイケル・グーリアン USA
1ST RUN00:53.400
2ST RUN00:56.024
RUN TIME00:53.400

4.マルティン・ソンカ Czechia
1ST RUN00:53.524
2ST RUN00:53.589
RUN TIME00:53.524

5.ミカエル・ブラジョー France
1ST RUN00:53.572
2ST RUN00:54.560
RUN TIME00:53.572

6.フアン・ベラルデ Spain
1ST RUN00:53.687
2ST RUN00:55.067
RUN TIME00:53.687

7.ベン・マーフィー United Kingdom
1ST RUN00:54.185
2ST RUN00:53.748
RUN TIME00:53.748

8.マット・ホール Australia
1ST RUN00:54.454
2ST RUN00:53.792
RUN TIME00:53.792

9.フランソワ・ルボット France
1ST RUN00:54.177
2ST RUN00:54.418
RUN TIME00:54.177

10.マティアス・ドルダラー Germany
1ST RUN00:54.593
2ST RUN00:54.180
RUN TIME00:54.180

11.クリスチャン・ボルトン Chile
1ST RUN00:54.228
2ST RUN00:54.573
RUN TIME00:54.228

12.ペトル・コプシュタイン Czechia
1ST RUN00:54.529
2ST RUN00:54.425
RUN TIME00:54.425

13.カービー・チャンブリス USA
1ST RUN00:56.072
2ST RUN00:54.571
RUN TIME00:54.571

14.ニコラス・イワノフ France
1ST RUN00:56.386
2ST RUN00:54.592
RUN TIME00:54.592

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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