強い素材ということは、減らないタイヤができるということになります。消耗品ビジネスであるタイヤメーカーとしてはロングライフの商品(タイヤ)というのは儲かりづらい商品にもなってしまうと思えます。
そうした点について、先日の発表会で質問したところ、同社・常務執行役員 松田 明さんは「ブリヂストングループの環境宣言は『未来のすべての子どもたちが安心して暮らしていくために…』というものです。たしかに長寿命のタイヤというのはビジネス的には厳しく思えるかもしれませんが、だからといって躊躇しては、持続可能な社会は実現できません」と力強く答えてくれました。
たしかに廃タイヤの処理というのは社会問題になります。あらゆる経済活動は人間社会が続くことが大前提ですから、タイヤの長寿命化は長い目でみればメーカーにとっても目指すべき目標というわけです。また、具体的にはこれからカーシェアリングが広まっていくと予想されています。そうなると各パーツのロングライフ化によるメンテナンスサイクルの延長は求められるところになります。オイル交換などは電動化によって減っていくとして、タイヤのロングライフ化はシェアリング社会と相性のいい進化だといえそうです。
さらにゴムが丈夫になるということは、現在のタイヤよりもゴム使用量を減らせるということですから、タイヤの軽量化にもつながります。すなわち燃費面でポジティブな影響が期待できるのです。