目次
【レース応用チューニング考】
■スペシャルパーツを作るっきゃない
レースは耐久性が一番重要視される。そのため各エンジンパーツは完璧に仕上げなければならない。
まず腰下はノーマルの87mmのボアを2mmボーリング。ボア×ストローク89×83mmの3096ccくらいが目下の最大許容量だ。ピストンは耐久性においても信頼のおけるHKSの鍛造品。コンロッド、クランクも強化される。ピストン同様、バランス取りは正確に行われる。
シリンダーヘッドは各燃焼室の容積合わせを正確に取り、コンマ以下の単位で揃えてやる。また、吸入効率向上のため吸排気ポートを研磨し、インテークマニホールドなどの段付きをなくす。
カムは272度でリフト量を2mmアップしていたものを使用したが、特に吸気側が小さいのでプロフィールを作り直し、リフト量も増す予定。レースでは常時、高回転が維持されるため、その特性域での性能が引き出されるように製作されるわけだ。また、純正のエキゾーストマニホールドでは容量不足のため、レーシングタイプのタコ足に変更する必要がある。
冷却系については、ラジエターの放熱量はOKだが、インタークーラーのパイピングレイスとは変更される。
パワーの要ともいえるタービンは、従来のギャレットT04から三菱TD08に変更の予定。これはT04型タービンに比べ2倍の風量を持ち、フリクションロスが少ないスグレモノ。適応エンジン出力も最大500psと強力。燃料系はFコンのSPLタイプや大容量インジェクターなどを特製する。
その他、まだ手を入れるところはたくさんあるが、一応、今の段階はこんなところだ。HKSでは「レースをやる以上、ハンパに終わらせたくない」と言っているから心強いね。
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VG系パーツはまだまだ出揃っていない、この時代。OPT300ZXの使命でもあるストリートへのフィードバックは、この企画…レース参戦がイコール、過酷なテストとなり。各メーカーの参考となり、そしてVG系パーツ開発へと繋がっていった、のであればOPT-Zも大役を果たせたっていうことですね。
さて、次回その4では、レースデビュー戦へ向けての正式な仕様の発表です!(※文中に出てくるパーツの価格は、1985年当時のものです。)
[OPTION 1985年4月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)
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