HKSに聞きました。VGエンジンはどうチューニングする? OPT300ZX耐久レース参戦記・その3【OPTION 1985年4月号より】

■パワーアップはターボだけだ

手軽なシステムとしてタービンのハウジングを大型のものに変更するタイプや、タービン自体を高速タイプの大容量タービンにアップするキットがある。

<VG30ET用>

・純正システム
これはセミタービンキットを主体にしたもの。タービンのハウジングを交換してターボの容量をアップさせる。システム1から3まで揃っていて、システム1の過給圧0.55kg/cm2で265psから、システム3の0.75kg/cm・295psまで。インタークーラーやマフラー、Fコンなどが含まれる。

・フルタービンキット
VG30ETの実馬力は約190ps。これはタービンをギャレットT03(A/R0.63)からもう一段ランクアップしたT04(A/R0.70)シリーズに交換するシステム。これにより実馬力が235psにアップする。

・スーパーシステム
フルタービンキットのシステムアップ版で、インタークーラー、マフラー、Fコン、VVCなどがプラスされ、最高出力は320ps/5500rpm(最大過給圧0.8kg/cm2)と90psアップのパワーを絞り出す。まだシステム1のみだが、今後は2、3とパワーアップ版が登場するだろう。

そして、より高速タイプを望む人には、タービンをT04からTD07、TD08にオーダー可能。

<VG20ET用>

・純正システム

VG30ET同様のセミタービンキットを主体としたもので、低・中速域での使いやすさに加えて、高速域での伸びの良さを実現している。システム1から3まで揃っている。VG系チューンでは、このHKSターボのシステム利用しかパワーアップが選べない現状なのだ。

■燃料系が決め手になる

エンジンのパワーアップとは燃料系チューンでもある。インジェクションの場合はコンピューターが最大のポイントになり、エンジンのみチューンしても高回転で燃料不足しちゃ何にもならない。そこでFコンで燃料補正をするわけだ。これにより、各回転数、吸気圧により燃料の増加減を行い、最適な燃料制御を行う。

また、インジェクターも大容量タイプのものに変更すればベター。ノーマルではやはり容量不足だからだ。これは25%、50%、100%アップと3種類揃っていて、各チューンに見合ったものをチョイスできる。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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