前回の記事でご紹介したように、1997年頃から軽自動車、オフロードSUV、ワンボックス、そして大型キャンピングカーと様々なクルマで車中泊旅をして全国を走り回り、それぞれに一長一短があることを学びました。今回の記事は、その経験を踏まえてのものです。ご自分の旅のスタイルを思い描き想像しながら、ご一読いただければ幸いです。
車中泊旅をしていたお陰で、国道でも林道と見まごうような道があることなどを知り、大型キャンピングカーになってから「この道は狭すぎて通れない」と予め分かっていたのは大きいです(それでも何度か狭い山道に迷い込んでしまったことがありますが…。)。
大きなクルマは居住性に優れている反面、機動性には欠けます。居住性をとるか、機動性をとるか。これは車中泊を前提としたクルマ選びにとって最初の壁とも言えます。
数日なら軽自動車でよくても、長期となれば運転疲れを癒すためにも余裕のある就寝スペースを確保したくなるものです。「住む」となると軽キャンパーはおろかハイエースベースでも狭いと感じます。車内で立てない、屈まなければならないのが苦痛なので、せめてキャブコンかポップアップルーフ付きがいいと思います(筆者は身長167cm、標準体型だと思ってます)。
個人的な感想ですが、車内で立てないのは本当につらいです。災害時、普通車で避難して車中泊生活が続きエコノミー症候群になったというニュースもよく聞きました。何をするにも窮屈だし、狭い車内では入浴後のタオルを干すのも一苦労です。
これも前回の記事で触れましたが、バンコンやバスコンは断熱効果が薄いということもあり、暑さ/寒さを遮断するには相応の断熱材を使用してあるクルマの方が快適です。窓ガラス用の着脱式断熱シートは必須でしょう。FFヒータ―、エアコン、サイドオーニング、冷蔵庫、トイレなどなど欲を言えばキリがありませんが、ご自身の使用頻度や優先順位を想像してみてください。
長旅になれば雨の日も風の日もあり、車外に出入りするのが億劫になります。特に夜間のトイレは面倒です。とはいえ簡易トイレなどを設置しなくても、非常用に携帯トイレを常備しておくという手もあります。
このように、標準装備されていなくても代替え品で補填すれば自分好みのクルマに近づけることができます。次回は、筆者が考える「ちょうどよさ」の物差しとなるエピソードもご紹介します。
(松本しう周己)