目次
●「ご当地グルメ」を堪能するには、たゆまぬ努力が必要!?
ご当地グルメといえば、以前キャンピングカー仲間さんから「今度、ナマズの刺身を食べさせてあげる!」と言われてその気になっていたら、忘れ去られていたという…苦い想い出がまず頭をよぎります。人任せではいけません、やはり「食べたい」と思うなら自力でお店を予約して、お一人様でも臆せず入店しなくては。
一昨年の記事【2018年に訪れたい場所・したい事ベスト5】でも触れた埼玉県吉川市で食べた「うなぎの刺身」。かなり反響があったので、「じゃあ来年はナマズの刺身を食べよう」という話になったのです。前述のように忘れられていたので今年もうなぎの刺身をいただきました(結局、ご馳走になってる・写真:左=うなぎの刺身、右上=どじょうの天ぷら、右下=金のうな丼)。
江戸川と中川に囲まれている吉川市は、約400年前から川魚料理の伝統があり「吉川に来て、なまず、うなぎ食わずなかれ」という言葉があるほど、今なお割烹・料亭が伝統の味を伝えています。
うなぎ料理専門店【川昌】本店
http://kawashou.sakura.ne.jp/
北海道の阿寒湖を訪れたら、必ずといっていいほど【郷土料理 奈辺久(なべきゅう)】でヒメマスの親子丼をいただきます。ヒメマスのお刺身は5月〜7月のみ! まったくクセがなくて、脂がのった肉厚で甘味のある身と、プチプチで濃厚なマス子がたまりません。
阿寒湖産ワカサギの天ぷらもサクサクとした食感と苦味が絶品です。
【郷土料理 奈辺久】
http://ja.kushiro-lakeakan.com/eat_souvenir/5122/
海鮮好きな筆者お気に入りの道の駅【氷見】。中でも【氷見前寿し】で一杯やるのが毎年の楽しみ! 富山湾名産しろえび(写真)やホタルイカをお刺身でいただけるのは最高の贅沢です。
他にもブラックラーメンや金箔ソフトクリームなど、氷見はご当地グルメてんこ盛りです。
【道の駅 氷見(ひみ番屋街)】
http://himi-banya.jp/
…と、ここまで挙げてきましたが「2018年、感動のご当地グルメ」は、ここから。美味しさ云々よりも珍しさで選んでしまうのが筆者の短所でもあり長所でもあります(?)。
【その1・モウカの星(宮城県)】
松島を訪れた際に【松島さかな市場】で見つけたモウカサメの心臓『モウカの星』! 自然解凍し、そのままお刺身(ルイベ)でいただきます。食感は鯨刺や鹿刺に近く、生姜醤油につけても臭みがちょっと気になりました。一緒に食べた友人一家の感想は、生食では友人(女性)とお母様は苦手、お父様はお酒のツマミに気に入ってもらえました。その後、生姜醤油で焼いてみたところ、そっちの方が美味しいと好評でした。筆者も焼いた方が好み。
【松島さかな市場】
http://www.sakana-ichiba.co.jp/
【その2・塩ホタテラーメン(北海道)】
過去、北海道の稚内近郊でラーメン店めぐりをしたことがあり、筆者の中での塩ラーメンナンバーワンは宗谷岬にある【間宮堂】のホタテラーメンとなりました。しかし今年はじめて稚内フェリーターミナル2階【シーサイドレストランyu〜来(ゆうら)】で塩ホタテラーメンを食べてみたところ、勝るとも劣らない美味しさで驚き! 失礼ながら、たいていフェリー乗り場や空港、駅などの飲食店は「そこそこ」というイメージがあったので…。
透き通ったスープはホタテの出汁が効いていて、丸ごと1個のったホタテもまた新鮮でプリプリとした食感がいい。個人的に、麺がぼやけた味だったり食感がくにゃっとしているお店が多い気がしていたのですが、こちらはツルツル・シコシコで美味しかったです。
【その3・音威子府蕎麦(北海道)】
ここ数年、音威子府(おといねっぷ)村は道の駅【おといねっぷ】で休憩することはあったのですが、立ち寄りもせず通り過ぎることもしばしば…。とうとう道の駅も休館となってしまいました。
音威子府を代表するご当地グルメ【音威子府蕎麦】は、JR宗谷本線 音威子府駅構内の立ち食い蕎麦屋【常磐軒】で食べるのが王道中の王道。…ですが、筆者が訪れた日は12時半には売り切れとなってしまい閉店。1日何食なのかは分かりませんが、常盤軒のご夫婦はご高齢で耳も遠いですし腰も曲がっているので、長時間勤務はつらいのかも知れません。
ほかに音威子府蕎麦が食べられるお店がないか駅員さんに尋ねたところ、なんと【一路食堂】のみ。音威子府村内において、音威子府蕎麦が食べられるのは今やたったの2軒だけになってしまったのです。
音威子府蕎麦が黒いのは、蕎麦の実を丸ごと使用しているから。蕎麦の風味というよりも焙煎した蕎麦茶のような風味で、弾力があり、一般的な蕎麦とは別物と言っても過言ではありません。【一路食堂】では驚いた事に、この特徴的な黒い蕎麦に合うよう「音威子府蕎麦専用のそばつゆ」まで開発したそうです。
音威子府村は、蕎麦生産の北限地。旅情をそそるご当地名物、存続してほしいものです。
【一路食堂】
http://kuroisoba.com/
【その4・サンショウウオの薫製(栃木県)】
サンショウウオは、栃木県〜福島県の山間部では古来より疲労回復・滋養強壮・美肌などに効果があるといわれ、重宝されています。(特別天然記念物のオオサンショウウオとは違います)
道の駅【湯西川】や、湯西川温泉街にある民宿【山島屋】などで販売しています。お値段はお店によって少々異なり、山島屋では5匹 800円でした(蛇足ですがサンショウウオの写真をアップで載せるのは忍びなかったので、山島屋さんをメインにしました)。
食べる前に軽く炙ると香ばしくて、ポリポリとした食感がおつまみ感覚でいただけます。お腹周りに少し苦味がありますが、それがまたお酒に合う。お好みで、マヨネーズ+七味をふりかけて食べるのもオススメです。1日1本くらいが適量、食べ過ぎに注意しましょう。
【山島屋】
https://yamashimaya.jimdo.com/
【その5・利尻島のエゾバフンウニ(北海道)】
利尻島の南側に位置する仙法志(せんほうし)御崎(みさき)公園にある、漁師一家が営む【みさき物産】。「明日はウニ漁やるから、朝8時頃に来ればウニ剥きしてるとこが見られるよ」と教えていただき、お言葉に甘えて見に行ったのがきっかけ。
目の前で剥いた新鮮間違いなしの朝穫れ海水ウニ、中でも貴重なエゾバフンウニを、メスとオス(オレンジ色が濃いのがメスで、白っぽいのがオス)半々にして詰めていただきました。
100g 3,300円は筆者としては大奮発でしたが、お食事処などでウニ丼を食べると4,000〜4,500円はするので、それを考えればおトクです。
ムラサキウニは海藻なら何でも食べる〝雑食〟で、少し苦味や雑味を感じます。対してエゾバフンウニは昆布しか食べない〝美食家〟。つまり利尻昆布を食べて育っているから味がまろやかで濃いのです。そしてメスは旨味が濃く、オスはクリーミー。こんな贅沢な食べ比べ、なかなかできません!
【みさき物産】
http://misaki.shop-pro.jp/
道の駅めぐりをしていると、見知らぬご当地食材を知ることができるので興味深いです。東西南北、その土地に適した食材があり、山菜なども名称が地域によって違っていたりするのが面白い。
写真:左=真菰筍(マコモタケ)、右上=食用菊、右下=オクラの花。見たことのない食材は店員さんに食べ方など聞くと、そこからまた「こういうのもあるよ」などと教えていただいたり、「九州にはないの?」と話が広がるのも旅ならではですね。
次回は「やってよかった体験ベスト5」をお送りします。「体験もの」というと、アクティビティから文化系まで色々あります。自分でいうのもなんですが、バラエティに富んだラインナップになったと思います!
(松本しう周己)