2018年、やってよかった体験ベスト5【車中泊女子の全国縦断記】

●刀剣鍛錬や夜の工事現場など「大人の工場見学」も体験

一人旅で困ることのひとつとして、体験レジャーを申し込む際に「最低2名から」と断られることが時々あります。また、カヌー体験などは1名だと割り増し料金になったりするのでなかなか申し込めません。ところが、時には厚意で体験させていただくこともあります。

北海道で知り合った方に誘っていただいて3年前に初めて鮭釣りにチャレンジしました。今年は3度目になりますが、刺し網漁でも鮭が不漁ななか、さらにシーズン中に北海道地震が発生し、それどころではなくなったこともあって釣果はゼロ。ですが、そのご夫婦とは毎年のように海へ出かけていたので、今年も一緒に遊べてよかったです。

釣果がゼロでは可哀想だと、ご夫婦が色々とご馳走してくださいました。旦那さんが数日前に釣った鮭の白子のルイベ(写真:左上)、日高昆布チップス(右上)、山で採れた天然舞茸(左下)、松川カレイの昆布締め(右下)などなど海の幸、山の幸を堪能させていただきました。

「もう使わなくなったから」と竿とリールを無償でくださった方のためにも、来年こそは大物を釣るぞ!

【その1・キノコ狩り(北海道)

かれこれ10年来のお付き合いになるネイチャーガイドさんがいます。3年ほど前に高齢を理由に引退されたのですが、嬉しいことに「これからは友だちとして遊びましょう」と言ってくれて、今年もキノコ狩りに連れて行っていただきました。

秋になると山には様々なキノコがたくさん顔を出しますが、素人目には「似てるけど…」と判断が難しいので、プロに確認してもらわなければ不安です。筆者など「これを探すんだよ」と実物を持たせられても間違うことがしばしば…。キノコは本当に難しい。

採れたキノコは種類ごとに分けて下ごしらえし、キャンピングカーの冷凍庫に保管して少しずつ料理に使っています。食べる度に楽しい想い出がよみがえり、また来年も元気で山菜採りしたいなぁと頬がゆるむのでした。

【その2・ウニ穫り体験(北海道)

食べ物繋がりで面白かったのは、北海道利尻島でのウニ穫り体験(1,000円)です。礼文島には【うに剥き体験センター】(800円)があるのですが、ウニを剥いて食べるだけ。こちらは、ウニを穫るところから始まるのです。

神居海岸パーク内の「天然いけす」で、実際にウニ漁師さんが使用しているのと同じ道具を使って探すのですが、なかなか見つけられず…やっと見つけても今度はタモで掬うのに一苦労。ウニには、あのトゲトゲ以外にも触手のようなものがあって、なんと網を避けるように逃げるのです! 掬うのに10分くらいかかりました。

『ウニ割り器』で、ウニの「クチ」の反対側から一刀入魂。スプーンで、ウニの丸みに合わせて優しく身を外します。海水に浸して、食べた昆布や内蔵を綺麗に取り除いたら完成です!(水道水でやると身がとけてしまうそうで、ここの水道には海水を引いてあります)

オプションで軍艦巻き(100円)をオーダー。ウニ1個で、軍艦に乗り切れないほど身が詰まっていました。天然生け簀で育っているためかムラサキウニでも雑味がなく、フンワリ甘くてトロける美味しさ、さらに利尻昆布醤油で美味しさアップ。利尻島を訪れたなら是非、体験してみたください。

【うにとり体験 – 神居海岸パーク】
http://kankou-k.wixsite.com/kamui-kaigan-park

【その3・泥染め体験(熊本県)

筆者の地元、熊本の【きくち観光物産館】にて年に一度(2日間)『泥染め体験』が開催されます。菊池市と姉妹都市である奄美大島の龍郷町から泥染め職人さんが指導に来てくれるのです。

筆者は4年前から毎年体験しているので手順は慣れたものですが、それでも思った通りの柄を出すのは至難の業。4年間の歴代作品を眺めると、哀しいかな、あんまり上達していない気が…。過去にも藍染め体験や草木染め体験をしたことがありますが、濡れているうちは色が濃く見えるけど乾くと褪せたように感じるので、根気よく時間をかけて染めます。淡い色も、それはそれでフンワリとした優しい印象になるのでいいのですが、センスが問われるところですね。

染めるものはスカーフやTシャツなどが準備してあり、料金は2,000円前後です(モノによって異なります)。持ち込みも可能ですが素材によっては染まりにくいものもありますので事前にご相談を。

実は現在、【きくち観光物産館】は改装中。営業はしていますが周辺の工事が終わっていないので、毎年2月に開催していた泥染め体験ももしかしたら来年は休止になるか【道の駅 七城メロンドーム】で開催されるかも知れません。興味のある方は、お問い合わせください。

【きくち観光物産館】
http://yokayoka.co.jp/

【その4・八ッ場ダム 夜の現場見学会(群馬県)

「体験」と呼ぶのはふさわしくないかも知れませんが、個人的には貴重な体験となった『八ッ場ダム 夜の現場見学会』(10月〜11月の第3土曜日と、最終金曜日に行われていました)。建設中の八ッ場ダムを間近に、しかも夜間に見学できるというのは滅多にありません。

この日は10月最終の金曜日。平日にも関わらず、集合場所の大栃沢パーキングが満車になってしまったほどの人気ぶりでした。現場見学と言っても、現場に入る訳ではなく工事車両用道路から眺めるだけなのですが、夜間でも作業が行われているので「今どういう行程なのか」をその場で解説してくれます。

『夜の現場見学会』は終了しましたが、他にも『八ッ場ダムぷらっと見学会』『やんばコンシェルジュご案内ツアー』など開催中です。

【やんばツアーズ 平成30年度下半期(10月1日〜3月31日)】
http://www.ktr.mlit.go.jp/yanba/yanba_tours_h301001.html

いよいよ平成31年度の完成に向け、昼夜を問わず建設工事が進められている八ッ場ダム。4年ほど前から毎年のように訪れているので、その景観の移り変わりをしみじみと実感しています。この光景は、来年には様変わりしていることでしょう。

源頼朝が発見したと伝えられている川原湯温泉、そのかつての面影はすっかりなくなり、再来年には美しい渓谷がダムに沈んでしまうなんて、今は想像できません(写真:右の吾妻峡谷は残ります)。

【その5・松永日本刀剣鍛錬所(熊本)

基本は、お一人様でも一律料金で気兼ねなく参加できることが望ましいのですが、どうしても参加したかったのが、こちらの松永日本刀剣鍛錬所。申し込みは2名からのところ、この日は他に学生グループが申し込まれているので1名でも受け入れていただき、見学することができました。

日本刀の製作過程を間近に見られるところは、全国でも珍しいのではないでしょうか。しかも刀匠みずから実演、解説してくださいます。

8mm角ほどの鉄棒を叩いて、先を四角錐に尖らせるという体験ができます。この日は合計10名ほどの見学者がいたので、代表で2名のみ。外国人の女性がチャレンジし、ハンマーの重さに苦戦していました。

真っ赤になった鉄は柔らかいように見えますが、叩いてみると意外なほど硬いそうです。希望すると刀匠が手直ししてくれて、記念に持ち帰ることができます。

後半は【古武道 小岱流斬試源清会】による試し斬り実演! 今回は芯に竹がない、ゴザを濡らして巻いたものを使用しています。刀剣鍛錬の見学だけだと思っていたので、まさか試し斬りまで見られるとは驚きました。し、しかも体験させてもらえるというではありませんか! 本来は代表で男性1名のみだそうですが、名乗り出たところ体験させてくださいました!

イメージを丁寧に教えていただきながら素振りを繰り返します。まず刀が重くて、ふだん使わない筋肉が悲鳴をあげる…。3回目にして、やっと斬り倒せました。(余談ですが、これっぽっちで4日くらい筋肉痛に苦しみました…)

この日は結局、外国人の見学者数名も試し斬り体験することができ、皆さま大満足。

見学は完全予約制で、最低2名から受付。所要時間は約2時間、一人1,000円です。この充実した内容で1,000円は安い! また行きたいです。住宅街の中にあり、道幅が狭くて非常に分かりづらい場所ですので、予めストリートビューなどで確認されることをおススメします。

【松永日本刀剣鍛錬所】
http://www.taiken-kumamoto.jp/programs/detail/175 (体験!くまナビ)

【車中泊女子の全国縦断記】2018年を振り返って参りましたが、いかがでしたか? ひとつでも「行ってみたい、食べてみたい、体験してみたい」と思っていただければ幸いです。

次回は、2019年の目標など新年の抱負を発表します。

(松本しう周己)

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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