【日産・スカイライン公道試乗】プレミアムセダンらしい直進走行時の安心感の高さを実感するも、見え隠れする改善点

いつの時代も最先端のテクノロジーでその走りを磨き、我々を魅了し続けているスカイライン。

長きにわたって培ってきたハンドリングテクノロジーの一つの究極系が、V37スカイラインに搭載されたダイレクトアダプティブステアリング、そしてハイブリッドシステムとダウンサイジングターボといったパワーユニットです。今回、試乗を通して感じたことをじっくり見ていきます。

クルマを評価する上で、良い車か否かを判断する大原則は「走る・曲がる・止まる」の3つです。ただし最近では、運転支援や自動運転というキーワードが流行しており、もはや、サーキットのラップタイムや0-400m加速タイムが、購買意欲を無性に掻き立てるほど、有効なアピール手段ではなくなってきたように感じます。むしろ、自動運転といったキーワードをしっかりと織り込み、運転支援に関する先進装備が装着されているか、というところが重要視されてきています。

それを考えると、このV37スカイラインは先進の安全技術、「セーフティシールド」というキーワードを元に、センサーを駆使した全方位運転支援を全グレードに標準装備しました。もちろん、今回の試乗車200GTtにも各種の安全装備が装着されており、幸いにも事故回避といったシステムの恩恵にあやかることはありませんでしたが、安心感がこれまでの車とは比較にならないほど感じられます。

例えば、一般道を走行中でも、前方の車をレーダーで捕捉し、車間距離を適切に保つよう加減速をしてくれたり、左右のレーンを走行している車が近づくと、Aピラー下側にあるランプが付き、後方からの進行車を知らせてくれます。さらに駐車をする際も、アラウンドビューモニタによって、全方位の状況をディスプレイに示し安全状況をブザーでお知らせしてくれたりと、至れり尽くせりの装備と感じました。

今回試乗したのは200GTt Type P。このクルマ、他社車と比較して優れている点があります。それは「直進走行時の安心感の高さ」です。

試乗車にはメーカーオプションで、ダイレクトアダプティブステアリングが装着されていました(※350GT HEV仕様には標準装着)。このステアリング機構は、ステアリングアクチュエーターが路面不整に対して、タイヤの向きをしっかりとキープすることで、路面不整があっても乱されない高い直進性を維持してくれます。轍などの大きな入力でも、ステアバイワイヤによって電気信号に置き換えられるため、強烈なキックバックはキャンセルされて、必要なフィードバックのみがステアリングに返ってきます。

このおかげで、走行中に車両に入る外乱に対してステアリングを修正する操作を低減することができ、ストレスが大幅に低減されます。かといって、インフォメーションがないテレビゲームのようなものでは全くありません。普段はしっかりとした手ごたえのある操舵力であり、ネガティブな要素は一切感じませんでした。

「ステアバイワイヤは今までと異なり違和感を感じる」とおっしゃる方もいますが、システムが違うのだから当たり前、むしろドライバーの疲労のことを考えたら、この方がストレス下がり、快適な移動をもたらしてくれるはずです。

アクティブレーンコントロールは、70km/h以上の高速走行時に、白線に対する車両の向きをカメラがとらえ、タイヤの角度と操舵反力を微調節する機能です。横風や傾斜などの路面の影響に対するクルマの直進性が高まり、修正操舵が減少します。

この機能が入ると、あたかもスノーボードのハーフパイプの中に、丸いボールをまっすぐ転がすようなイメージで、直進走行をしてくれます。車線内で左右にぶれても、ステアリングが「じわっと」元に戻される方向に操舵反力を返し、車線中央へとクルマの位置を戻してくれます。これが実に自然なフィーリングなのです。

これまで筆者は、プロパイロットを積んだセレナと新型リーフの試乗をした際、プロパイロットの車線維持の制御の粗さを体感しました。常に走行レーン中央を追う様に、ステアリングがピクピクと左右に切らされる動きを続けるのは、辟易してしまいました。

V37のアクティブレーンコントロールは、プロパイロットほどのレーンキープ力はまだ与えられていません。しかし、車速維持、前方追従、自動停止まで、ほぼ同等の機能は備えています。もし、このアクティブレーンコントロールにプロパイロットのレベルまで操舵支援機能を与えたら、それは一つの運転支援のゴールといえると考えます。次のマイナーチェンジ、その先の次期型開発ではぜひ織り込まれることを期待します。

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