集大成を謳う日産「スカイライン NISMO」は1000台限定、「スカイライン NISMO Limited」は100台限定で抽選販売

■「スカイラインNISMO Limited」には、匠が手組みする高精度なエンジンを搭載

2023年8月8日(火)、日産自動車から「スカイライン NISMO」、特別仕様車の「スカイライン NISMO Limited」が発表されました。

先日、現行フェアレディZにNISMO仕様が加わるとアナウンスがあったばかり。現行スカイラインには「400R」はありましたが、NISMO仕様の設定はありませんでした。「スカイライン NISMO」は1000台限定で9月上旬に発売、「スカイライン NISMO Limited」は100台限定で2024年夏発売予定になっています。

「スカイライン NISMO」の走行イメージ
「スカイライン NISMO」の走行イメージ

「スカイライン NISMO」の注文についての詳細は、各販売会社まで要問い合わせとなっています。「スカイライン NISMO Limited」は抽選販売で、「スカイライン NISMO」WEBカタログ内の応募ページから応募できます。応募締切は2023年9月4日(月)15:00です。

スカイライン NISMOの走行イメージ
スカイライン NISMOの走行イメージ

日産きってのスポーツセダンであるスカイラインは、2代目の「S5」系から、グランドツーリングカーを象徴するGTの名称が冠されてきました。

今回、発表された「スカイライン NISMO」は、かの時代より受け継がれたGTカーの資質に、NISMOならではのレーシング由来の技術を活かした空力、シャーシ技術を融合。「より速く、気持ちよく、安心して走れる、究極のGTカー」を目指して開発されたそう。

「スカイライン NISMO」のフロントマスク
「スカイライン NISMO」のフロントマスク

ハイパフォーマンスを誇るセダンとしてワイド&ローのスタンスによる圧倒的な存在感、NISMO専用エンジンと加速チューニングが施され、「スカイラインGT」の「集大成」ともなる走りと佇まいを実現したとしています。

現行スカイラインは、ハイブリッド仕様の生産がすでに終了しています。「スカイライン NISMO」が「集大成」ということは、少なくても現行型は、同モデルが最後になることを示しているかもしれません。

エクステリアでは前後バンパーとサイドシルカバーを「スカイライン NISMO」専用パーツとして用意されているのがトピックス。細く、鮮やかなレッドアクセント、NISMO専用フォグランプ、NISMOエンブレムなど、新世代NISMOロードカー共通の要素が配置され、ひと目でNISMOと分かる仕上がりになっています。

「スカイライン NISMO」のリヤまわり
「スカイライン NISMO」のリヤまわり

外観の見どころは、フロントバンパーロアグリルとフォグランプを取り囲む造形をはじめ、ボディサイドのリヤホイール中心を前後に貫くサーフィンラインをオマージュしたデザインで、往年のスカイラインらしい力強さが表現されています。

また、空気抵抗を低減しながら、ダウンフォースを大幅に向上させる機能を持ったデザインは、高速走行時の安定性向上にも貢献。さらに、グリル開口部の断面と内部エアガイドの形状が最適化され、ラジエターやオイルクーラーへの流れが最適化され、空気抵抗を抑えながらスポーツ走行でも安心できる冷却性能を実現。フロントフェンダーの「GTエンブレム」もハイスペック仕様であることを物語っています。

「スカイライン NISMO」のコクピット
「スカイライン NISMO」のコクピット

「スカイライン NISMO」には、フロントフェンダーに「GT」のエンブレム、センターコンソールに1000台限定のシリアルナンバーが刻印されたNISMOメタルエンブレムが配置されています。ボディカラーは、専用色「NISMOステルスグレー」を含む全5色を展開です。

一方のインテリアは、ベース車となった人気グレードの「400R」の高い質感はそのままに、全体を黒基調でコーディネイトされ、上質な仕立てになっています。

コクピットまわりには、レッドセンターマーク付のNISMO専用本革巻ステアリングをはじめ、280km/hスケールのスピードメーター、NISMOロゴが用意されたレッドリングタコメーターが備わり、スポーツ仕様にふさわしいスポーティ感を醸し出しています。

280km/hスケールの2眼メーター
280km/hスケールの2眼メーター

さらに、NISMO専用チューニングでオプション設定のRECARO製スポーツシートは、黒を基調にセンターに赤を配置したカラーコーディネイトに、スウェード調表皮の貼り分け位置にこだわり、急旋回時でもシート中心部に体圧が残る高いホールド性を実現しています。

オプション設定のレカロ製スポーツシート
オプション設定のレカロ製スポーツシート

加えて、着座時の体圧の分散が最適化される座面構造により、グランドツーリングに求められる快適性も両立されています。

なお、オプションのNISMO専用チューニングRECARO製スポーツシート(前席)には、NISMO専用リヤ固定式シート、カーボン製フィニッシャー(インストルメントパネル、センタークラスター、ドアトリム)が含まれます。

搭載される心臓部は「400R」の3.0L V6がベースで、「GT500」レース用エンジンに携わった開発者が、同じ開発設備を使ってチューニングを施したそう。最高出力が298kW(405ps)から309kW(420ps)に引き上げられ、最大トルクも475Nmから550Nmに大幅に増強されています。

「400R」用エンジンを専用チューニング
「400R」用エンジンを専用チューニング

専用チューンが施されたエンジンにより、走行モードの「STANDARD」では、日常域でも力強く、気持ちのいい加速の伸びを享受できます。「SPORT」「SPORT+」モードでは、NISMO専用のAT変速スケジュールによってエンジンの回転を高回転で維持し、スポーツ走行時にハイレスポンスな加速フィールが得られるとしています。

高トルク化に対応するため足まわりも強化されています。後輪で路面にパワーを伝えるFRのため、リアタイヤの幅を20mm拡幅し、前後タイヤのグリップ力を高次元で実現した専用開発の高性能タイヤを装着。

また、リム幅を拡大しながらも高剛性と軽量化を両立したという、NISMO専用エンケイ製19インチアルミホイールを履き、操舵初期のレスポンスとコーナーでの接地性を向上し、コーナリング性能も高められています。

専用開発されたタイヤとブレーキ性能も強化
専用開発されたタイヤとブレーキ性能も強化

高性能タイヤにあわせて、サスペンションとスタビライザーに専用チューニングが施されています。旋回時のロールを抑えつつ、起伏のある路面でも追従性を維持。4輪ともに高い接地性が確保され、限界域まで安心できる車両安定性を実現。

ブレーキには耐フェード性に優れる摩擦材が使われているほか、専用タイヤとブレーキパッドに合わせてABSの制御も見直され、制動距離を短縮するなど制動力も向上されています。

「ビークルダイナミクスコントロール(VDC)」は、スタビリティの向上に合わせた専用チューニングが盛り込まれ、限界走行時でも性能を発揮できるよう最適化されています。ワインディングなどを走る際なども洗練されたコントロール性が得られるそう。

ほかにも、前後ウィンドシールドガラスに「NISSAN GT-R NISMO」にも採用されている高剛性接着剤が採用され、車両重量を増やすことなく車体剛性の向上が図られています。

●100台限定「スカイラインNISMO Limited」はさらに特別感満載!

NISMOのロゴマーク
NISMOのロゴマーク

100台限定で抽選販売になる「スカイラインNISMO Limited」には、「S54A-1」型「スカイラインGT」誕生60周年が記念された特別仕様。横浜工場の匠ラインで、特別な資格を持つ匠が手組みで作り上げる高精度なエンジンが搭載されています。

レース車を想起させるデザインに、日産初採用となる艶消しガンメタリック塗装のホイールが特別装備されるとともに、「Limited」の証として、エンジン組み立て担当者名が記された匠ラベル、100台限定の専用シリアルナンバープレート、専用エンブレムを用意。

ボディカラーは、「ホワイトパール」「NISMOステルスグレー」「ダークメタルグレー」の3色展開となっています。

「スカイライン NISMO」のコクピット
「スカイライン NISMO」のコクピット

スカイラインは、長年の間、幅広い層に支持されてきた日産の看板車種であり、集大成と表現された「スカイラインNISMO」「スカイラインNISMO Limited」は、ファンであればぜひ手中に収めたいモデルといえそうです。

なお、「スカイライン NISMO」「スカイライン NISMO Limited」は持込み登録になり、日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)扱いになります。

●価格
「スカイライン NISMO」:788万400円
「スカイライン NISMO(RECAROシート+カーボン製フィニッシャー装着車)」:847万円
「スカイライン NISMO Limited」:947万9800円

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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