日産「スカイラインNISMO」に清水和夫が乗ったら「ステアバイワイヤのフィーリング最高! 32GT-Rみたい♪」と大満足!

■「バイワイヤステアリングを一品料理にしちゃダメ」その意味とは?

●「日産の底力」をスカイラインNISMOに見た!(清水和夫)

スカイラインNISMOに清水和夫が試乗
スカイラインNISMOに清水和夫が試乗

GT-Rは別世界に独立しちゃった(?)ので、現行最強の日産・スカイラインは「400R」(価格:595万4300円)です。

その400Rをベースに「スカイラインNISMO」(価格:788万400円~847万円)が1000台限定で9月上旬に、特別仕様車「スカイラインNISMO Limited」(価格:947万9800円)が抽選100台限定で2024年夏に発売されます[オンラインでの抽選販売/応募は2023年9月4日(月)15時締め切り]。

今回、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが試乗したのは、その1000台限定のスカイラインNISMOです。

「いいね!」
「いいね!」

清水さんとスカイラインといえば、グループA時代の全日本GT選手権や、N1耐久(現スーパー耐久)でもR32 GT-Rに乗っていたので、スカイラインは清水さんとも関りの深い車ですね。あ、清水さん最初の愛車もスカイラインだそうです。

試乗した清水さん、なにやら親指で「いいね」しながら上機嫌! さっそく、動画を見てみましょう。

●大谷翔平選手の投げる球をキッチリ受け止めるキャッチャーのようなリヤのスタビリティ

スカイラインNISMO×清水和夫
スカイラインNISMO×清水和夫

私の場合、車に乗るときには、まず最初にステアリングをチョン切りしたときの手応え。手のひらでググッと、タイヤの接地感と車の動きを感じる。それがどんなにシャープに動いても手応えが無い車はダメで、どんなにゆっくり動いても手応えがしっかりあるということが大事。

その車のヨーイングの動きに対して、リヤのロールとヨーモーメントがしっかりしているかどうか。

やっぱりスカイラインにはこの丸型テールライトがなくては!
やっぱりスカイラインにはこの丸型テールライトがなくては!

ステアリングとオシリ(リヤ)ね。ステアリングはピッチャーで、リヤがキャッチャー。大谷翔平選手の160km/hのボールをバチン!と受け入れられるかどうか。キャッチャーなので、フォーシームとかいろんな球が来ても、ポンポン受け止められるリヤのスタビリティが必要です。

そこが、『清水和夫流・車評価の一丁目一番地』です。

●日産P901活動の香りもするスカイラインNISMO

清水さんにとっても、スカイラインは原点
清水さんにとっても、スカイラインは原点

スカイラインですよ、スカイライン! 400RじゃなくてNISMOバージョンなので、800万円くらいのホットバージョンですね。かなり気合入れて作ったみたい。

飛ばしてないけど、一体感あるね。

おぉお~。コレP901活動、R32GT-RとP10プリメーラを作ったときの香りがしますね。

なんかと~っても楽しそうです
なんかと~っても楽しそうです

ステアリングの一体感がいいね。これ、バイワイヤステアなんだけど、センターフィールもいいし。この辺は昔、中央研究所にいた内藤原平さん(アテーサE-TS生みの親)と作ったなぁ。

オォ~、ビシッと締まってるね。足のダンピングもいいし。

NISMO専用VR30DDTT/DOHC直噴V6ツインターボエンジン
NISMO専用VR30DDTT/DOHC直噴V6ツインターボエンジン

うわぁ~♪ これ、なんか32GT-Rの生まれ変わりじゃないの!? 楽しいっていうよりも、気持ちイイ。このステアフィール、最高! こんな気持ちのいいステアフィーリングはかつてなかったです。高速コーナーもメチャクチャいいな。

トランスミッションは7速トルコンATだけれど、あえてフェアレディZの9速を使わなかったのは、重くなるということがあるから。エンジンはV6ツインターボで550Nmくらいかな。

久しぶりですね、日産の底力を見たのは。

スカイラインNISMOのコクピット
スカイラインNISMOのコクピット

今、FRって車はもう事実上、トヨタからもなくなってきたから、マツダと日産くらい。まぁこういう500ps級のエンジンを持っているのは、やっぱり日産だからね。

こういうところもアンダーが出ないよ。ライントレース性もすごくいいし。いいねいいね、この辺。ちょっとね~、トラコンが余計なことしてるかな?

●GTバッチ、ヤバいよ!

GT-Rじゃなく、FRのGT
GT-Rじゃなく、FRのGT

いや~今回ね、何だろうな、焼鳥屋の前を通るとなんかこう焼鳥が焼けている香りがプンプンしてきますよね。なんかね、そんなことを思い出しました。

今回、この車に乗ってみて感じたのは、P901活動。R32 GT-RとかP10プリメーラが出てきた1990年の、日産の活動の匂いがプンプンする車がここにありました。

これこれ、このGTバッチがたまらない!
これこれ、このGTバッチがたまらない!

元々、400Rっていうのはスカイラインの10年位前のプラットフォームで、そこからR35GT-Rが生まれたりしているんですけど、今回、やっぱりスカイラインの歴史みたいなものをリマインドしている。

このGTのバッチ見てね、ヤバいな!と思いましたね。自分は1972年にハコスカで免許取ってデビューしたので、私にとってスカイラインはかけがえのない車との出会い。あの時スカイラインと出会えなかったら、今の自分がいないんじゃないかと思うくらい。

●人間とマシンがハイテクな中でも、アナログ的に一心同体になる

スカイラインNISMOのリヤビュー
スカイラインNISMOのリヤビュー

このNISMOバージョンは限定1000台なんだけど、バイワイヤステア持っているFRなんです。

いろんなところでハイテクを使うんだけど、やっぱりドライバーズカーである以上、人間が操作したときにマシンと人が一体感になる。オーバーラップじゃなくても、一心同体になったようなドライブフィールに今日は感動しました。

バイワイヤステアリングですからね、完全にIT化されてデジタルステアリング。でも人間が感じるのは、アナログの最高な手応え。でも、その基盤技術はデジタルで動いているバイワイヤステアです。

P901活動の頃の日産車を思い出すね
P901活動の頃の日産車を思い出すね

日産は早くからこのバイワイヤステアをやっていた。最近ようやくトヨタがレクサスでやるようになったけど、まだ世の中に出ていない。だけど、スカイラインはいち早く、バイワイヤステアとリヤの4WSを組み合わせる車を持っていたんです。

ただ日産で残念なのは、それがいつも一品料理で終わって、他の車種に展開されていない。これは日産の、ある意味弱みかもわかりません。

●300km/h級の車と、それをテストするコースとドライバーを持つのが日産の強み

いいよ、コレ!
いいよ、コレ!

トヨタも日産もホンダも凄いんだけど、やっぱりこのFRって今、プラットフォームで残っているのは現実的にマツダと日産くらいだからね。

トヨタもKプラットフォームのFF系にいっちゃって、ランクルとMIRAIくらいしか残っていない。あとはスープラとかスバルとの共同で作ったものはあるけど(GR86/BRZ)、オリジナルでFR作っているこういう500ps級のFR!

日産の強みは、フェアレディZ試乗の時にも言ったんだけど、300km/h出る車、2500万円の車を持ってるってこと。で、陸別(北海道)のテストコースで300km/h出るテストコースがあるということ。もっと言えば、それを走らせられるドライバーがいるということね。

●トラコン切ったら天国♪

スカイラインNISMO、いいね!
スカイラインNISMO、いいね!

さぁ今度はトラコン(トラクションコントロール)切りましたよ。

おぉお~~~フフッ♪

いや~楽しいな! トラコン切るとFRだね。トラコンONでVDC(ビークルダイナミクスコントロール)をつけていると、R32 GT-Rみたいな四駆になります。それだけリヤのスタビリティが上がるっていう意味ね。


いやいや、ホントに楽しそうにテストしている清水さんです。全編は動画をチェック!

(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

スカイラインNISMOの主なスペック
スカイラインNISMOの主なスペック

【SPECIFICATIONS 】
車名:スカイライン NISMO/NISMO Limited (※カッコ内はRECAROシート+カーボン製フィニッシャー装着車)
車両型式:ニッサン5BA-RV37
全長×全幅×全高:4835×1820×1440mm
ホイールベース:2850mm
トレッド(前/後):1540/1560mm
最低地上高:130mm
車両重量:1760kg(1740kg)
乗車定員:5名
最小回転半径:5.6m
エンジン:NISMO専用VR30DDTT/DOHC直噴V6ツインターボ
排気量:2.997cc
ボア×ストローク:86.0×86.0mm
最高出力: 309kW(420ps)/6400rpm
最大トルク:550N・m(56.1kgf・m)/2800-4400rpm
燃料・タンク容量:無鉛プレミアム/80L
駆動方式:2WD FR
トランスミッション:7M-ATx マニュアルモード付フルレンジ電子制御 7速オートマチックトランスミッション
ステアリングギヤ形式:ラック&ピニオン式
変速比 前進:1速 4.783/2速 3.102/3速 1.984/4速 1.371/5速 1.000/6速 0.870/7速 0.775
変速比 後進:3.858
最終減速比:3.133
サスペンション(前/後):独立懸架ダブルウィッシュボーン式/独立懸架マルチリンク式
ブレーキ(前/後共):ベンチレーテッドディスク式
タイヤサイズ(前/後):245/40R19 98W/265/35R19 98W
価格(税込):NISMO 7,880,400円(8,470,000円)/NISMO Limited 9,479,800円

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この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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