本物DRAGスターの実力を垣間見た!
山野レーシング・ドラッグスター 13秒018
ドライバー&メカニック:山野 浅好
13秒01という数字だけでは失望を禁じ得ない。が、テストの現場にいた人たちは声を上げるほど驚いたのだ。クリスマスツリーのシグナルがブルーに変わってスタート。タイヤから煙を吐き、フレームは上下に激しく振動しながら加速する。
2速へシフトアップと同時にデフトラブル。当然、マシンは加速することをやめる。計測をあきらめた山野氏はエンジンを止め、そのまま惰性でゴールラインを通過する。その時のタイムが13秒01。もし2速へシフトアップされ加速を続けたなら11秒を切るタイムが出たであろう。
勝負への根性をDRAGレースに
トラスト・カローラ・ドラッグ 13秒216
ドライバー:青木 徹治/メカニック:奥寺 正彦
2TG改2LのエンジンにN2Oが使用されるカローラ・レビン。そのユニットがマウントされているのは「室内」といっても過言でないほど後退されている。
これまでのベストは12秒40。約2週間前に行われたスキャットDRAGレースでクラッシュし出場が危ぶまれたが、そこはトラストの気合の入れ方が違っていた。ドライバーの青木氏も肋骨4本にヒビが入ったままで出場するガッツ。「結果は満足するものではない」と言っているが、その根性に脱帽。
ギヤ比のセッティングで11秒台突入か!?
JUNオートメカニック3.5L・Z 13秒363
ドライバー&メカニック:小山 進
L型最大排気量の3.5L・Zの頭角が徐々に出てきた。これまでエンジントラブルはなかったものの、タイムはイマイチ。83年に入ってからの3.5L・Zは13秒台を続出。なかでもスキャットDRAGレースでは12秒94。RRCでは12秒83をマークしている。
「現在のセッティングではギヤ比を中心に行っています」という言葉通り、クロスミッションでファイナル、タイヤ径とその組み合わせは毎回、変更してトライしている。「目標は富士で11秒台!」、計算では3速8400rpmでゴールすれば11秒台はマークできるという。
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いまやトップチューナーの藤田エンジニアリングにアートテック花塚、またJUNオート小山さんや岡崎ケンジさんまで登場していたゼロヨン大会、懐かしいですね!! DRAGネタはまたいつか、さらなる凄いマシン&記録更新を発見したときにご紹介します!
[OPTION 1983年11月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)