4A-G最速を記録したOPT MR2のメカニズムがコレだ! その4【OPTION 1984年10月号より】

エンジンルーム内の熱気対策も重要だ。ノーマルで75度以上になるとエンジン右側のエアインテーク部のファンが回るようになっているが、ターボとなると100度以上になってデスビ等にまで影響してしまうので、エンジンフードのスリット部のあるプレートを取り外し、中央に大きな穴を開けてマッドハウスで製作したシュノーケルを取り付け対策した。

エンジン関係では、カールシュミット製鍛造ピストンにブリッツのステンレスガスケットを組み合わせ、圧縮比を9.4から7.4に落としてある。

燃料増量はEFAと各インジェクターのキャパシティを183cc/mから210cc/mにアップ。さらに排気温度上昇の場合を考えてエマージェンシー用の補助IJ(183cc/m)を装着し、5200rpmから働かせた。だが、この手動バリアブル増量システムはあくまでも暫定だ。

次回はドライバーに負担をかけないコンピューターコントロールシステムを作り上げる予定。が、トライ後のインプレッションでも燃料は十分で、このままでも250ps以上までは問題がなさそうだ。また、プラグはノーマルの白金タイプからNGKレース用スペシャルを使用した。

今回はミッション系はすべてノーマルで、ファイナルはスペシャル。クラッチはシグマ製ダブルディスクを使用した。これも250psまでであれば十分だ。

とにかく良かった! 220km/hをオーバーさせる自信はあったが、これだけは走ってみないと何とも言えない。236km/hは予想以上だ。が、とても走りにくかったという点は反省している。

次回までにサスとボディ剛性アップ、エンジンのドライサンプ化、レース用ピストン、ハイカム等で250.km/hオーバーは近い!

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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