【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】第30回・虚飾を廃した合理的3ナンバーセダン。 日産 マキシマ(3代目)

80~90年代の日本車からグッドデザインを振り返るシリーズ。第30回は、虚飾に頼らず先進かつモダンなボディで勝負したアッパーミドルセダンに太鼓判です。

1988年のトリノ-ビエモンテ・カーデザイン・アウォードを受賞したコンセプトカーARC-X。5ナンバー版のセフィーロとともに、そのコンセプトを本格的な3ナンバーセダンで具現化したのが、3代目のマキシマです。

サイズ以上の大きさを誇示する従来の大型セダンとは異なりスラントノーズとハイデッキを組み合わせたボディは、全体を柔らかな曲面で構成することで3ナンバーながら「パーソナルセダン」であることを印象付けます。

スマートなボディは広いグリーンハウスと組み合わされることで高い合理性を示し、さらに大きく傾斜したリアウインドウによる流麗なプロポーションがARC-Xに準じたモダンさを演出。

装飾的なキャラクターラインを廃したボディサイドは、豊かで張りのある面で構成。バンパーやサイドモールとの一体感も強く、あたかもひとつのカタマリから削り出されたような凝縮を醸し出します。

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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