パワーアップも必須! OPT連載企画、HONDAシティ・ミッド化計画・その5【OPTION 1984年2月号より】

【燃料カット防止回路】

燃料カットをしてしまう回路を作動させないようにするシステムで、通称FCDと呼ばれている。ノーマルシティターボのPGM-FIの燃料カットを防止することにより、高ブースト圧時にも燃料がカットされずに、ターボの高ブースト時のあのすさまじい加速感を味わえる。

【ターボタイマー】

ブーストを懸けた走行や、高速走行時にはタービン自体が排気ガスの高温熱風にさらされている。そのためにエンジンを急激に切ってしまうと、タービン自体の損傷・破損になってしまう危険がある。タービンの保護、寿命を伸ばすためにもアフターアイドリングを行う必要がある。

そこで作られたのが、ターボタイマーだ。1分、3分、5分と切り換えができ、デジタル表示される。このタイマーはノーマルの配線を切ったりしないバイパス回路を使用しているため、メインキーをONからOFFにしたときに作動するようになっている。いくら走りが楽しめても、壊れてしまうとショックだもんネ。もしやのためのターボタイマー、そんな感じだ。

【ブーストメーター】

1.5kg/cm2までのブーストメーターでターボ車にはやはりどうしても必要なものだね。ブースト圧の設定などに付けておきたい。

【オイルクーラー】

ターボ車は、エンジンオイルをタービンシャフトの潤滑にも使われ、オイルが高温になってしまい劣化を早めてしまう。このオイル温度の上昇を抑えるのがオイルクーラーだ。しかし低速走行時にもオイルクーラーにオイルが流れていると、オイル温度が低下しすぎてしまう。そこでこのHKSオイルクーラーにはサーモスタットが付けられており、ある一定温度になった時にオイルがオイルクーラーへ循環するようにできている。

【ピロボールの足はシビアだぜ!】

ノーマルのボムブッシュからテフロンブッシュ。現在はレースのノウハウをフィードバックしたピロボールを使用した足になっている。ピロボールを使うことによりハンドリングもシビアになった。ピロボールを使った足は、レーシングカーの世界では当たり前といえる。ゴムブッシュの場合はいろいろな方向へ動いてしまうが、ピロボールを使うと動きがカッチリしてドライバーの要求するセッティングが作れるのだ。

OPTシティの場合、テフロンブッシュの時には硬すぎてしまうフィーリングだったが、ピロボールの足は適度な硬さで、シビアとはいえコントロールしやすいものだ。

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過度なパワーアップはせず、ハンドリング重視のシティ・ミッドターボに仕上がりました。さて次回、最終回のその6では、谷田部テストの結果紹介デス!

[OPTION 1984年2月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

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この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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