「日常で使える」ランボルギーニ・ウルスの、たったひとつだけ気になること

そして「日常に使える」性能で大事なのはウルスは荷物が〝普通に〟積めること。大人2日のお泊りドライブ程度が精一杯のウラカンやアヴェンタドールと違って、狭くはないラゲッジスペースがあるし、何なら後席にだって荷物を置けるしね。今までのランボルギーニのスーパーカーとは大違いなわけですよ。

後席といえば、もちろん座って確かめてみましたよ。あの見た目からしたら意外や意外、普通に座れちゃいます。ヘッドクリアランスが足りないかなと想像していたら、身長167cmで足短めのボクが座っても全く問題ない。サイドウインドウが小さいので閉塞感はあるけれど、スペースとしてはまったく問題なし。これは実用的です。

「実用的といえば昔はランボルギーニにも後席付きがあったじゃん、エスパーダとか」という意見もあるかもしれないけど、それらはリヤドアがなかったからあくまでクーペだし、LM002はキャビンは広いけど、どう考えたって乗り心地が悪くて快適じゃないでしょ。「日常的に使える」というのはちょっと違う。

そんなわけで、ランボルギーニの新しい道を切り開く意欲作のウルス。

もしも、他にクルマが飽きるほどあって新たに追加したいとか、駐車場が2台分用意できないから1台ですべてをこなすオールマイティなスーパーカーが欲しいなんて言う人には超オススメです。

僕は……さらなる高性能仕様の登場まで待とうと思います。

理由ですか? だって最高出力がJEEPグランドチェロキーの最強仕様「トラックホーク」の707psに負けているのが癪に障るんだもん。スーパーカーはこういうスペック勝負が重要だもんね。

(工藤貴宏)

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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