電動であることの構成要素を単純化して、モーターとバッテリーを積めば電気自動車は作れる……と表現することもありますが、そう簡単な話ではありません。
トヨタが開催したクルマの「電動化技術説明会」において、電動化3要素として挙げられたのは、モーター、バッテリー、そしてPCU(パワーコントロールユニット)です。初代プリウスではエンジンルームで大きく自己主張していたPCU、そのメインといえる部品が「パワー半導体」と、その冷却装置になります。
直流を交流へと変換し、モーターへ電力を供給する肝となるパワー半導体の進化こそ、PCUの進化を支えている要素であり、クルマの電動化におけるコア・テクノロジーである、そんなことをトヨタ「電動化技術説明会」では暗に示していたようです。
実際、初代から4代目まで歴代プリウスのPCUを並べてみると、大幅に小型化されているのがひと目でわかります。しかも、2代目からは昇圧コンバーターを内蔵しているのに小さくなっているのですから驚きです。
具体的には、初代ではユニット体積が17.4Lだったのに対して、4代目では8.4Lと半分のサイズになっています。そして、ここまで小さくなったことで、補機バッテリー(12V)をエンジンルームに配置することができ、結果としてラゲッジスペースの拡大にもつながったのです。