トラスト セリカXXツインターボ
256.68km/h
無念のフューエルトラブル!
HKSセリカと同じ5M-GEUを使ってトライしたトラストXX。292km/hをすでにマークしている実力の持ち主。今回はタイヤ径を大きくして300km/hに挑戦した。
使用されるユニットは5M-GEU+ツインターボ。HKSとは違いインジェクション装着車である。ノーマルから大きく変更されているのはピストン。ボアに変更はないがアリアス製アルミ鍛造でローコンプ仕様。圧縮比は7.5に下げてある。これにKKK製K26を2基装着しチャージ圧は1.3kg/cm2。燃料増量はトラストオリジナルのフューエルコンピューターにディーゼル機器製の大容量インジェクターノズルを使用している。
今回のテストが不発に終わった原因のひとつに、この燃料増量が上手くいかなかったことが挙げられる。「6000rpm付近で正確な燃焼が行われなくなり、燃料が不足している印象を受けた」とはドライバーのインプレッション。原因はインテークチャンバーの圧力スイッチが作動しなかったことがあった、ということが後で判明しているのだが・・・。
このマシンで面白いのは、駆動系のチューニングでデフにニッサンのR200型を使用していることだろう。このデフによってファイナルギヤ比は3.15とハイギヤード。トランスミッションはノーマルで5速0.783というセッティングだ。これにグッドイヤーNCT235/60VR15(ハイト650mm)の大型タイヤを履いている。
外装はスープラ仕様とオリジナル製作が入り混じったスペシャルで、特にフロントスポイラーに工夫がいられる。例えばスポイラー下部にリップを設けるが、それをさらに後方へ延長し、フロントタイヤ前部までの整流版を兼ねるように作られているのだ。また、サイド、リヤスポイラーはグラスファイバーで製作され、高速安定性を狙っている。実際、バンク内でも安定した走りを示し、路面に吸い付く印象すら受けたということだ。
ただ、サスペンションが少し硬すぎたようだ。前後ともトラスト製のコイルスプリングでダンパーはフロントがオイルでリヤが調整式のガス。一番硬いセッティングにしたのだが、ドライバーによればバンク内で少し跳ねるためほんの少し柔らかくしたほうがいいのでは?ということだ。今回はエンジン自体のメカニカルトラブルに見舞われたが、実力のあるマシンだけに次回が楽しみだ。