1985年に新登場のFC3S・RX-7、ノーマルインプレッションはどうだった?・後編【OPTION 1985年11月号より】

前編では、新機能満載のFC3S・RX-7のメカニズムを紹介しました。今回は、ノーマル(広報車の試乗)によるインプレッションをプレイバックします。では早速、いってみましょう!

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最高速240km/h、ゼロヨン14秒台の実力に加え、スポーツスピリット溢れる走りを約束する。

【ぶっ飛びインプレ解剖】

おそらくニューセブンにはフェアレディZXみたいな高級感から、マイルドな走りを想像するかもしれない。

しかし、乗ってみると驚くはずだ。やはり強烈なスポーツカーの切れ味が満喫できると思う。ロータリーターボとトーコンサスはとにかくスポーティにセッティングされているのだ。

まず185psのパワーはフラットな特性でタイムラグが無く、スムーズに加速する。高回転域のノビもREらしい吹け上りだ。メーカーデータのゼロヨンは14.8秒だが、多分誰でも14秒台が可能な使いやすさになっている。新設計の5速ミッションを介してシフトアップしていくと、あっという間に4速で180km/hに達し、リミッターの無い輸出モデルでは240km/hをクリアするほど。80~100km/hの加速が3.3秒というからポルシェ944以上だ。

この高性能を楽しむべきハンドリングもイケる。マルチサスの動きを詳しく説明するスペースはないが、理論より乗ってみることだ。安定方向に設定してあるとはいっても、ソリッドでシャープな操縦性がかなり楽しめるはずだ。

このトーコンサスは基本的にスカイラインGTに採用されたHICASと同じようなものだが、本格的スポーツカーという明確なポリシーがあるだけに、味付けがしっかりしていると思われる。高速コーナリングでリヤが踏ん張った安定度はスカG、RX-7とも互角かもしれない。しかし、ステアリングに感じるダイレクトな応答性では、ニューセブンがスポーツカーのそれを大切にしてある気がする。

やはり、ここらはGTとスポーツカーの決定的な違いなのだろう。ま、早く徹底的に乗りこなしてみたい魅力があるね。

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ここまで本格派スポーツカーの誕生!となると、この後のOPTは、チューンドFCだらけになる予感、しませんか? ってことで次回は、DaiちゃんがFC3S(の広報車…多分)に乗って九州まで行っちゃいました!というお話です。

[OPTION 1985年11月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

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この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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