原点は、日本の美学と言える引き算の美学。現在の美学はものが偏りすぎ、美意識の根底にあるものをクルマで表現していきたいという思いから始まっています。
それを実現すべく、余白を生み出す。ボディ全体から要素を削り落としていくことは、デザイナーにとって我慢との戦い。結果、残った部分に光と影を創作するものでした。そうして出来上がったのは、フロントセンターからリヤへの軸を一本に合わせたワンモーションフォルムが特徴。書道のストロークのような反りを表現。これは、日本刀や日本建築の屋根、東京スカイツリーにも見られるといいます。
そこで作り上げられた「面」は、手作りにこだわりながらもそれでもできない部分、常に曲率が連続して変化するところではどのような映り込みになるのか想像ができないため、この部分はデジタルシミュレーションが取り入れたそうです。
インテリアは人とクルマの一体感を狙いながら、タイトでもなく緩やかに包まれる空間を目指しています。空間を閉鎖せず、日本家屋の「間(ま)」の考え方を取り入れました。壁のようなモニターにせず、シースルーのスクリーンも開発しています。