まず、新型「リーフ」の航続可能距離は最大で400kmと、先代の280kmを大きく上回ります。たとえEVでも航続可能距離は250kmもあれば十分だと言われていますが、日産が顧客を対象に行なったリサーチによると400kmを境に電気自動車に対する安心感が急激に高まると判明。車両価格についても300万円台が望ましいということも掴み、それらが新型「リーフ」の大枠となったと言います。
最初に着手したのがバッテリーの改良です。航続距離を伸ばす手法として最も簡単なのはバッテリーを沢山積むことです。しかし、バッテリーを増やすことはコストアップに繋がります。また、先代からプラットフォームを踏襲するため、床下に敷き詰めたバッテリーのサイズは維持しなければなりませんでした。
この相反する課題を克服するために、まずは単セルの正極材を変更するとともに厚みも増やしエネルギー密度を向上。その一方で、1モジュールをセル4枚から8枚へ変更することでモジュールケースを半減。バッテリーパックのサイズを同等としながら容量は先代から10kWhアップし、400kmの航続距離を達成しました。
さらに、バッテリーの直流電流をモーター駆動のために交流電流へと変換するインバーターの設計を刷新。従来よりも冷却効率を高めることで電流量を増やせるようになり、0-100km/hで約15%、60-100km/hで約30%加速が速くなっています。