発売前の「アイサイト・ツーリングアシスト」を搭載したレヴォーグに試乗することができました。閉鎖されたテストコースで先行車に対して、どのように追従するのかを味わうことができたのです。
通常走行や渋滞を模したシチュエーションでは、ほぼ自動運転と思えるほどクルマが車線と車速を維持しながら先行車についていきます。
さらに、白線のないテストコースにおいて先行するクルマのドライバーにわざとクネクネと走ってもらったところ(20km/h程度)、その動きを見事にトレースします。ただし、どんなときも追従できるわけではありません。先行車や白線などの情報をロストすると、途端に自動運転的な振る舞いがキャンセルされるので、ドライバーがボーっとしていると危険。自動運転のレベル分けでいうとレベル2に相当する「アイサイト・ツーリングアシスト」ですが、現時点ではドライバーの補助的な機能に留まっています。
ただし、補助・補完する関係は一方通行ではありません。ツーリングアシスト機能がキャンセルされたときは、速度も操舵もコントロールはドライバーの仕事になります。あたかも、ドライバーがクルマをアシストするようなシーンも出てくるのです。AI(人工知能)を搭載しているわけではありませんが、クルマの動きを感じながら「そろそろ先行車をロストするかも」と予想して身構えていると、クルマとの対話を感じるから不思議なもの。自動運転時代になってもクルマはパートナーであり続けると感じると言ったら、大げさでしょうか。
ちなみに、いつでも運転操作を引き受けられるように、操舵アシストが機能しているときもドライバーはステアリングを握っている必要があります。手を離してしまうと10数秒でコーションが出て、ステアリングを握るように促されますし、ステアリングを握っているつもりでも力が抜けていると同じようにコーションが出ます。自動運転というと、手放し運転と思いがちですが、それにはまだ早いようです。
なお、設定速度は0~120km/hとなっていますが、低速域は渋滞を考慮したもので、「アイサイト・ツーリングアシスト」は、いわゆる高速道路での使用を前提とした機能なのは変わりません。じつは赤信号も認識している「アイサイト」ですが、一般道で安心して使用できるようになるのもまた、まだまだ先の話ということです。
(山本晋也)
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