そうしたなか、ZFは5月25日、電動車の自動運転システムの確立や技術革新を促すため、同社の子会社ツークンフト・ベンチャーズを通じて、e.GO Mobileとの合弁企業「e.GO Moove」を立ち上げると発表しました。
独アーヘンを拠点とする新会社「e.GO Moove」では、自動運転による人や貨物輸送ための車両開発・生産・販売を目指すそうです。
ZF シュテファン・ゾンマーCEOは今回の合弁に際し、以下のように説明しています。
・ネットワークに接続された電動自動運転車は、安全、快適、 効率的な環境に優しい輸送手段として将来の都市部や首都圏で重要な役割を果たす
・ZFは電動駆動装置やADAS、シャシ、センサー統合技術を提供する
先頃、ZFはアーヘン工科大学で初となる試作車を公開しました。
一方、e.Go Mobileのギュンター・シューCEO(上画像右)は次のように述べています。(画像左:ツークンフトベンチャーズ社 トーステン・ゴレフスキ社長)
・新しいコンセプトとなる人や貨物輸送用電気自動車の開発では、何度も反復して開発を進めることや生産コストの考慮が不可欠
・スタートアップとしてのe.Go Mobileの活力と、ZFのノウハウや市場参入能力の組合せにより、短期間でテスト車両を提供できるようになる
ZF ゾンマーCEOは「人と貨物の両方を輸送できる電動自動運転車は世界的に膨大な将来性があり、合弁会社e.GO Mooveは、この市場にプラスの影響をもたらすだろう」と述べており、今後もツークンフト・ベンチャーズ社を通してこの分野の外部パートナーやエキスパートとの提携を進めていく考えのようです。
小規模ながらも高い評価を得ている企業は、ZFとの提携により、有力な支援が得られ、またZFにおいても製品・技術ラインナップが拡大することで、競合他社より一歩先んじるための技術を取り込むことができるという構図。
このように、各社の技術力を集積することで、その規模を拡大しつつあるZFですが、電動自動運転車やその制御システムの開発を手掛ける同社の今後の動向に多くの注目が集まりそうです。
(Avanti Yasunori・画像:ZF)
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