80〜90年代のネオ・クラシックな日本車から、グッドデザインなクルマを振り返る本シリーズ。第2回目は、斬新なTVCMも話題となったホンダの野心作に太鼓判です。
1985年、山下達郎の爽やかな歌声とともに登場したクイント インテグラ(以下:インテグラ)。CR-Xやビートなど、スポーティな人気者達に隠れがちな存在ですが、実は相当にグッドルッキングな意欲作でした。
同時期のアコードに準じ、フロントはリトラクタブルライトと二分割グリルで個性を発揮。低いボンネットからつながるサイドボディもスリムですが、ショルダーラインの柔らかい「折れ」が、ボディに豊かな厚みを与えます。
後席の居住性を考慮し、スリムなボディにはビッグキャビンが載ります。しかし、端正なピラーとサイドグラフィック、さらには広大なリアウインドウによって重さを感じない絶妙なバランス。その意味では、5ドアこそがクイント本来のスタイルではないかと思わせるところです。