ハイデッキのリアは、シンプルな横長のランプと車名を配したパネル面の組み合わせが、独特の先進感を醸し出します。
そして、フロントやボディ外周、ガラス枠など要所に配された「黒」が、ビビッドなボディカラーを引き締めているのが見所。光り物を廃したこの演出が、インテグラに高い質感を与えました。
また、インテリアは広大なスラント面とメーターとのメリハリが、まったく新しい試みを表現しています。
デザイン開発は、当時のシティやシビックなどを担当した在間浩氏がチーフ。「ヤング・アコード」として、プレリュードよりもカッコよく、居住性も満たし、一切の妥協を廃しつつ、アキュラ名で展開する北米のスタジオと共同作業となりました。
たしかに、リトラクタブルの低いフロントはアメリカ車を想起しますが、一方で、ボディ全体に漂うクリーンかつプレーンな印象はどこか欧州車のイメージもあります。
スポーティでありながら極めて実用的。その端正なボディは、明快な意志がなければできないデザインなのです。
●主要諸元 クイント インテグラ5ドア GSi
形式:E-DA1
全長:4350mm×全幅1665mm×全高1345mm
車両重量:990kg(5MT)
ホイールベース:2520mm
エンジン:1590cc 4気筒DOHC 16バルブ
出力:120ps/6500rpm・14.0kg-m/5500rpm
(すぎもとたかよし)