「セクシー・ダイアモンド」でトヨタの壁を越える!C-HRのチャレンジ・デザイン(前編)

── ではフロントから具体的に伺います。ランプとグリルは「キーンルック」として、たとえば欧州で販売されるオーリスやアベンシスに合わせたものですか? あるいはC-HR独自の造形でしょうか?

「私たちは、TNGAプラットフォームを得て、よりワイドで安定感あるパッケージをベースに、より立体的に強調した造形を目指し「キーンルック」を進化させています。キーンルックはトヨタ車の中でも、欧州を初めとしたグローバル市場に展開している車種を中心に採用しているフロントフェイスのアイデンティティ表現です。表情の与える印象(知的・明晰さ)と基本的な表現手法に一貫性がありますが、個々の車両のコンセプトや造形の特徴を活かし、多様性も持たせた表現をしています」

── では、C-HRの独自のキーンルックはどのようなところですか?

「具体的には、トヨタマークから翼形状にサイドまで回りこむ薄く力強いヘッドランプのアッパー部分と、車両の特徴でもある巨大なフレアを活かし、よりコーナーアーキテクチャーを強調することで、力強くスタンスのよい構えを表現した「アンダープライオリティ」との組み合わせにより、鋭く力強いキーンルックを表現しました」

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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