【覚えてますcar】20世紀に生まれた日産オリジナルの軽自動車「ハイパーミニ」の正体は市販EVだった

日産の軽自動車といえば、スズキからOEMを受けた時代の「モコ」や、三菱自動車のJVであるNMKVが企画した「デイズ」などを思い浮かべるでしょうが、完全に日産独自に作り上げた軽自動車が20世紀に存在していました。

それが2000年2月にデビューした「ハイパーミニ」。アルミ製フレームにバッテリーとモーターを搭載した後輪駆動のEV(電気自動車)です。

2シーターのシティコミューター的なキャラクターの日産ハイパーミニは、れっきとした市販車。カーシェアリング的サービスも展開されていましたが、リース限定ではなく一般ユーザーの手に渡った電気自動車です。

全長は2665mmと軽自動車規格よりもずっとコンパクト。前後14インチのタイヤですが、フロント145幅、リヤ165幅となっていたのは後輪駆動ゆえ。インパネ中央にデジタルメーターを配したコクピットはシンプルで機能性を感じさせる内外装となっていました。

モーターの最高出力は24kWで、航続可能距離は115km。駆動用バッテリーを搭載しているためエンジン車より重量増となりそうなものですが、ランフラットタイヤを採用することでスペアタイヤを省くなどして840kgに抑えていたのも注目されました。

当時の価格は400万円~401万5000円。充電器とセット販売だったというのは時代を感じさせます。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる