1981年最高速総決算、930ターボ、Z、SA22RX-7、ジャパン、ローレル、コルベット、トランザムどれが勝った?

[国産車9位] 236.45km/h

スカイラインGTジャパン 3131cc by Mレーシング

さすがM!? 独自のナイフエッジ・ノーズ

フロントエンドの形状がユニークである。完全なウェッジチェイプ、先端はナイフのように尖っている。同じMレーシングZが248.27km/hをマークしているのに対し、こちらは236.45km/h。エンジン排気量は共に3131ccであるが、こちらのキャブは45φと多少絞ってある。したがって、方や350ps、こちらが330psと、20psのハンデがある。これが12km/hの差となって表れたのであろうが、そればかりではなさそうだ。ハンドルを握った高橋選手の話では、高速時のリフトは極く少ないとのことであったが、どうもフロントが強く抑えられすぎて、その分、空気抵抗が大きくなっていたのではないか、とのこと。確かにフロントエンドの形は、空気抵抗係数からみて有利とはいえない。ゼロヨンでは14秒24をマークしているが、これはデフが3.5であったためで13秒台の可能性は十分にあるマシンである。

 

[国産車10位] 234.91km/h

フェアレディZ 3100cc by ファクター

ファイナル選定が響いて・・・

最高速234.91km/hにとどまった。5速で6200rpmであったことからみると、ファイナルが3.9という選定は失敗であった。現状でもう少し車速を伸ばすには、5速でエンジンがもう少し回る方にセットすべきであろう。ゼロヨンで13秒31をマークしていることからみて、エンジンパワーはそう低いレベルにあるとは思えない。最高速トライアルでは、このパワーを生かしきれなかった、とみるべきであろう。このエンジンも3100cc仕様であるにもかかわらず、レスポンスはシャープである。おそらく、街中でも申し分なく速いクルマであろう。

 

[国産車11位] 213.96km/h

ローレル 3054cc by Rモータース

ゼロヨン仕様ながら、5速7000rpm!

スパルタンなマシンであった。内外装、余分な装備はすべて取り外し、その点では純レーシング仕様ともいうべき仕上がりぶり。エンジンは89mm×83mm仕様。ソレックス50φを使用し、圧縮比は11:1にセットされている。EXパイプはタコ足とフジツボ50φを組み合わせてある。セッティングとしては、ゼロヨン用ということで最高速トライアルは1周めより2周めの計測値のほうが悪かった。アクセル全開時のミクスチャーが薄めとなっていたためである。油圧は終始4kg/cm2であったが、油温は2周めで120度に上がっていたことからみると、谷田部での最高速トライアルではより大容量のオイルクーラーを使用すべきであろう。エンジン回転は、5速で7000rpmまで回っていたことを考慮すると、タイヤ径、ないしはファイナルレシオの組み合わせによってはかなり車速を伸ばせるはずで、この辺の対策による再度のチャレンジを期待したい。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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