とくにインテリアに関しては、採光がソフトなだけでなく、シートに腰を下ろした感覚まで柔らかく甘めで、ウッドやレザー、アルミの質感が心地いいです。
エアコンのルーバーのツマミに刻まれたダイヤモンド状のカットなどは、目に彩なだけでなく、指先で感じるタッチの上でも適度なエッジ感をもたらします。
どこかオフィスのようなドイツ車、ホテルのようなラテン系のクルマと違って、自宅のサロンやラウンジのような感覚があるのです。
いってみれば、スウェーデン独特の上質さを静かに語りかけてくるS90は、かなり大人のクルマ。
あれもこれも、ではなく、何が大事かプライオリティの分かっている大人のプレミアム・サルーンでした。日本への導入予定は2016年後半で、Eセグのオルタナティブとしてどう受け入れられるか、楽しみな一台です。
(南陽 一浩)