■水素ってどうなの?
A「なんかエネルギーの話とかしなくていいんですか?(笑)」
C「まあ、水素はエネルギーというより保存方法だからね。2次燃料。でもバッテリーに電気を溜めるよりは1回水素にした方が保存しやすい。要は、真剣に太陽光発電やるなら水素がいいのはわかる。太陽光は夜は発電できないから。だから、太陽光発電とか風力発電のストレージを含めて『水素にするんだ』って誰かが決めれば、将来的にすべて水素になるんでしょう。でもどうかな?」
D「某業界団体のプレゼンを聞きましたけど、現時点でwell to wheelではハイブリッドカーとかよりも水素がいい、という言い方はしているんですけども、コストの話は一言もなくて(笑)。やはり普及にはコストが大事。いつまで補助金を使えるかわからないし、毎年予算の関係もあるだろうし。価格3倍とかになったら、誰も水素入れないだろうし」
(※well to wheelとは:「油井から車輪まで」エネルギー損失やCO2排出について、採掘から車輪を動かすまでのすべてのプロセスを含めて評価する概念)
C「それまでの間に量産効果で安くして……ということなんでしょうけどね」
D「補助金打ち切りで誰も水素作らないって可能性もあるしね」
C「あと、電気がいっぱいいるんですよね。入れるのにも圧かけなきゃいけないし。ガソリンみたいに最悪、手動ポンプで入れるってことができないもんね。やるってなったら圧かけないと入らないから。」
E「今、カタログで航続距離が650キロでしょ? で、そんなに走らなくてもいいかなって気もしますね。満タンで400キロくらいでもそんなに困らないかなと。圧力をそんなに上げないで、入れる時の手間とか電気とか装置がもうちょっと簡単になって、場合によってはタンクを大きくしてもいいかもしれないし。そこに圧縮の手間が多すぎるんじゃない?と思って」
C「なんで70MPa(メガ・パスカル)にしちゃったんだろうね。35MPaで行けばよかったのにね」
B「そこはもしかしたらエンジニアの限界、『ここまで行こうぜ』というのを無理に設定して成功したというのはあるのかも」
C「そこはトヨタとホンダは意見が合ってなかったですよね。ホンダは35で行くって言ってて。でもそれ言っちゃうと、本当はタンク1個外して、その分電池積んで、プラグインの領域を広げれば、最悪電池入れてスタンドまでは走れるとか。それに似たことはアウディがやっているんだっけ。」
C「まあ、なんだかんだ言ってちょっとだけ欲しかったですね、MIRAI(笑)」
まだまだ続く座談会。今年を彩ったクルマたちに対して、覆面なのをいいことに言いたい放題の先輩方に乞うご期待!
(トーク/先輩方・ 書記/くぼきひろこ)