エイプリルフール。コンパクトスポーツの元祖トヨタ・スポーツ800デビュー!【今日は何の日?4月1日】

■富士重工が「株式会社SUBARU(スバル)」に社名変更

4月1日は、世界的に「エイプリルフール」と呼ばれ、他愛のない嘘やいたずらによって人を笑わせる日です。その由来は、いくつかの説があって確かなことは分かっていないようですが、あくまで笑えるようなジョークが基本で、相手の気分を害するような嘘はつかないように注意しましょう。

また民営化政策の一環として、1977(昭和52)年4月1日に(日本電信電話公社→)日本電信電話(NTT)、(日本専売公社→)日本たばこ産業(JT)、1987年4月1日には(国鉄→)JR7社が発足しました。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

富士重工株式会社は、2017(平成29)年4月1日付で社名を「株式会社SUBARU(スバル)」に変更しました。富士重工よりも知名度の高いブランド名「スバル」を社名として、さらにブランド力に磨きをかけることが変更のねらいでした。

1965年発売のトヨタスポーツ800
1965年発売のトヨタスポーツ800

また1965(昭和40)年に、トヨタの2シーター・コンパクトスポーツカー「トヨタスポーツ800」がデビューしました。その前年1964年の東京モーターショーで参考出展された「パブリカスポーツ」を量産化したモデルです。

1964年東京MS出展パブリカスポーツ(復元車)
1964年東京MS出展パブリカスポーツ(復元車)

トヨタスポーツ800は、翌年登場したホンダの「S800(エスハチ)」に対抗する形で「ヨタハチ」と呼ばれました。エンジンは、パブリカ用を改良したトヨタとしては最初で最後の空冷水平対向800cc 2気筒エンジンでした。最大の特長は、空力特性と軽量化を追求したボディです。前面投影面積の減少や曲面サイドガラスの採用など航空機の空力技術が随所に盛り込まれたボディによって、CD値(空力抵抗係数)は0.30を達成。また、ルーフやトランクにアルミパネルを採用するなどして車重は580kgまで軽量化されました。

1965年発売のトヨタスポーツ800 空冷エンジン
1965年発売のトヨタスポーツ800 空冷エンジン

空力性能に優れ軽量コンパクトなトヨタスポーツ800は、レースでも活躍しました。1965年第1回全日本自動車クラブ選手権レースでの天才ドライバー浮谷東次郎による最下位からのごぼう抜きの優勝は、今も語り継がれるトヨタスポーツ800の伝説となっています。同時期に登場した技術の粋を結集した「トヨタ2000GT」が脚光を浴びがちですが、空力と軽量化で名車となった弟分のトヨタスポーツ800も忘れてはいけない存在なのです。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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