アウディA7スポーツバックの安定感の走りは高速ロングクルージングも余裕綽々

グランドツアラー、グランツーリスモであれば多少曲がりにくくてもビシッと超高速域で安定して走ってくれれば大きな問題ではないでしょう。

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A7スポーツバック3.0 TFIS クワトロは、高張力鋼板とアルミボディのハイブリッドボディとはいえ、全長は5m近く、全幅も1.9mを超えますから1900kg(サンルーフ付は20kgプラス)あります。

それでも4WDであることを考えると、ライバルよりも軽く、走り出しも大きさを感じさせない軽快感があり、アウディらしく軽めのステアリングを操作すれば思いのほか意のままに走らせることができます。

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とはいえ、これは道幅がある状況で、後方視界はお世辞にも良好とはいえませんし、サイドウインドウも天地が低いクーペ風ですから、横方向の視界も小さめ。狭い道ではかなり気を使うのは間違いなく、腕に覚えがある方がステアリングを握るべきでしょう。

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A7スポーツバックの3.0 TFSIは、従来から23psアップとなる333ps/5500-6500rpm、最大トルク440Nm/2900-5300rpmというアウトプットで、7速のSトロニック(デュアルクラッチトランスミッション)との組み合わせ。

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S7の積む4.0L V8ターボは450ps/550Nm、RS7の560ps/700Nmと比べるとスペックでは譲りますが、3.0Lで十分ですし、今回は乗れませんでしたが新設された252ps/370Nmの2.0TFSIでも日本の公道で走る分にはこちらもまさに必要十分な出力、トルクだと予想できます。

さて、23psアップを果たした3.0 TFSIは、空いている高速道路で少しアクセルを踏むこむと「こんなに出ているの?」とメーターを見て驚くほどの速度域に達しますし、その速度域でも静かで車内は平和そのもの。

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高速道路の上り勾配を感じさせない力強さは確かに頼もしいですが、ソリッドなスポーツカーというよりもグランドツアラー的な正確で、疲れを知らずに長距離移動を楽しむのに最適なキャラクターという印象です。

そこにフルタイム4WDのクワトロという武器が加わりますから、雨の日などでの安心感の高さも魅力でしょう。

■アウディ「A7/S7/RS7スポーツバック」画像ギャラリー ─ 優雅なクーペフォルムが魅力
https://clicccar.com/2015/06/04/310311/

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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