ハンガーで間近で見られた飛行機は、エンジンとプロペラは共通部品である事は既に紹介していますが、水平対向6気筒エンジンです。
今やレーシングカーにはエンジンはストレスマウントが必須なので、水平対向エンジンは剛性的に…ですが、軽飛行機ではプロペラのみ。今も最良のエンジンとして搭載されています。エンジンカバー前方に3つ開口部が有りますが、左右はエンジン(シリンダー)冷却用で、
下の穴から吸気をします。
また、左右の冷却孔は最新型と云われる室谷機には「まん丸い穴」が開いていますが、
優勝したボノム機の冷却孔は四角です。エンジンが統一されて1年、未だ最適化は図り切れていない様です。
一方、主翼後端の補助翼(エルロン)の下には三角や四角の板がステーを介して付けられています。
こちらはパワステの無い競技機なので、舵を切った時の風を受けパワステの様な効果が得られるとの事。この板の大小や形状もセッティングとして調整します。翼端は刃の様に鋭利です。
テント内では、うっかり怪我をしない様にプロペラにテニスボールに刺しているチームが目立ちました。
また、話題になった室屋号のキャノピー(コックピットの風防)は、本当に小さいです。
他機に比べて着座姿勢を寝せている様です。
本番では新機体になり速度が稼げる様になった事で、旋回前に速度を殺しきれずGオーバー…初の実戦で判ったミスでの敗退でしたが、次戦以降の活躍と悲願の初優勝に期待が持てる結果でした。
日曜は晴天の元、室屋選手の決勝緒戦の総合トップタイムには大歓声が、そしてRound of 8ではチャレンジしての敗退に大きな拍手が送られました。
競技会場の千葉市も臨時飛行場を抱える浦安市も次回以降の開催には主催者以上に前向きです。東京オリンピックを控え、海外向けPR効果も期待しての全力協力のようです。
早くも2週間後に次のエアレースがクロアチアのロヴィニで開催されますが、しっかり予習して来年の開催を楽しみたいものです。
そして、待ちきれない人は以下のギャラリーをどうぞ!
photo:t.ohkawa/川崎BASE/Michael Clark/Red Bull Content Pool
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