14年ぶり!日産GT-R、GT300とGT500でダブル1・2フィニッシュ【SUPER GT 2015】

5月3日に決勝が行われたSUPER GT第2戦「2015 AUTOBACS SUPER GT Round 2 FUJI GT 500km Race」のGT300クラスを優勝した#10 GAINER TANAX GT-R。

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表彰式にはヨーロッパでの異名、世界のセルフィーキング(自撮王)とまでいわれる千代勝正選手の自撮りまで披露されるほどの歓喜に包まれていました。

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 その千代勝正選手は、決勝直前の筆者のインタビューに大きな自信をもって、以下のように答えていました。

「このGT-Rとダンロップの用意してくれたタイヤなら自信を持って勝ちに行けます。クート選手もかなり好印象でマシンと接しているので絶対にいけると確信しています。ネックがあるとすれば路面温度が高すぎることくらい。早い段階で雲が出てくれれば気温の低下と同調して路面温度も下がってくれるので、そうなればタイヤの強みが発揮できます」

ダンロップのスリックタイヤについてはチームメイトの#11 GAINER TANAX SLSも表彰台に登り、また#61 SUBARU BRZ GTもポイント圏内の8位と、かなりの出来のよさを見せています。

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開幕戦岡山でのポールポジションに続き、この富士での優勝で#10 GAINER TANAX GT-Rは波に乗った印象を持ちます。しかし、ヨコハマタイヤを履いた#3 B-MAX NDDP GT-Rもかなりの強さを見せています。

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タイヤバーストからのスロー走行で順位をかなり落としたはずなのに、ラスト5周で2位争いのプリウスとSLSに追いつき、ラスト3周で追い抜いてしまう速さ。たとえドライブが星野一樹選手と言えども、ここまでの追い上げは誰が予想できたでしょうか。

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この2台のメイクドラマが、日産陣営にとって2001年8月の富士戦以来、14年ぶりというGT500、GT300揃っての1・2フィニッシュをもたらす結果となりました。

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GT500については昨年のオートポリスでのGT-R表彰台独占など、日産の1・2フィニッシュはありましたが、GT300では2006年の菅生でZが1・2を飾ったのが最後となりますから、GT300単独で見ても日産の1・2フィニッシュは実に9年ぶりとなります。

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その他のGT-R GT3 2015は軒並み15位以下という結果になっていますが、その内容は間違いなく昨年よりも良い方向になっています。#360 RUNUP Group&DOES GT-Rは手堅くQ2進出。

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そして、特に2015モデルと相性がかなり良いのがDIJON Racing。#48 DIJON Racing GT-Rはリザルトとしては燃料系トラブルで72周で止まってしまいましたが、周回数により完走扱いの18位でチームポイントを獲得しています。しかし、そこまでは7位を走り、ピットタイミングでの順位の変動が激しい頃には、一時4位にまで順位を伸ばします。

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#48 DIJON Racing GT-Rは昨年までのポジションが嘘のような目覚しい進化。

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 第2戦富士で優勝した#10 GAINER TANAX GT-Rの千代勝正選手も開発スタッフに名を連ねるNISSAN GT-R GT3 2015モデルがあればこその、14年ぶりのダブル1・2フィニッシュ。NISSAN GT-R GT3 2015モデルは間違いなく、いや既に今期の台風の目となっています。

果たして、次戦のタイでNISSAN GT-R GT3 2015モデルは、どんな活躍を見せるのでしょうか。

(写真・文:松永和浩)

 

 

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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