水素ステーション運用コスト低減がFCV普及加速の鍵に?

そこで水素社会の早期実現を目指す政府は事業者の参入を即すべく、初期投資を軽減するための補助金枠を拡大、2015年度は昨年を大幅に上回る110億円まで引き上げる方針といいます。

また補助対象を定置式の水素ステーションだけでなく、移動式の水素トレーラーも補助の対象にすることで拠点数を増やす考え。

これにより定置式の約半分まで、設備費を圧縮できるそうです。

またステーション設置後、FCVの販売台数が増えるまでの間は事業者の採算がとれない事を踏まえ、昨年11月に政府はステーションの運用費にも助成金を付ける方針(約2,000万円/年)を固めており、まさに至れり尽くせりの条件で水素ステーションの運用事業者を募っています。

一方、事業者側のコスト削減に向けた動きでは岩谷産業が持ち前の水素の液化技術を活かして圧縮機、プレクーラーを不要とすると共に、運送コストの抑制にも繋がるため、来年にも実用化する模様。

TOYOTA_MIRAI

FCVへの水素供給時には再び気化させる手法で、今後車両側でも液化水素が使えるようになればさらに気化行程も不要になるメリットが有ります。

水素コストの約6割をステーション導入・運用費が占めている現状を考えるとステーションのコスト抑制が効果的なことは明らかで、政府の補助金による後押しに加えて、事業者のコスト低減に向けた技術開発が今後のFCV普及加速に向けた鍵になりそうです。

■岩谷産業 水素関連資料(PDF)
http://www.iwatani.co.jp/jpn/h2/pdf/hydrogen_handbook.pdf

■JX日鉱日石エネルギー Webサイト
http://www.noe.jx-group.co.jp/company/rd/h_station/index.html

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 (Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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