水素ステーション運用コスト低減がFCV普及加速の鍵に?

事業者ではJX日鉱日石エネルギーと岩谷産業が8割近くを占めており、他の事業者は先行する2社の動きを窺っている状況。

その背景にはステーション設置コストに対する投資回収の不透明さが有るようです。 

自動車メーカー全体のFCV販売計画台数や販売地域が明確でない事、ガソリンスタンドの数倍とされる設置費用、高額な運用費(5,000万円/年)などが足踏みを招いている主な原因と言います。

FCVに供給する70MPa(約700気圧)の水素を貯蔵するための圧縮機や蓄圧器、充填時の安全性確保で発熱を抑えるためのプレクーラーなどの機器だけでも2億円以上かかるようで、水素ステーションの設置費用を押し上げる要因になっています。

JX
(出展 JX日鉱日石エネルギー)

しかも政府の意向でガソリンよりも水素価格を割高にできないため、販価に上乗せできず、当面は設備費をペイできない状況。

ちなみに水素ステーション100ヵ所の黒字化には約20万台のFCV普及が必要と言われているようです。

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
続きを見る
閉じる