「イエローキャブ」の愛称で知られる米NY(ニューヨーク)市の公式タクシーに日産のミニバン「NV200」が選ばれ、日産のメキシコ工場で生産が始まったという話題を先回お届けしました。
NY市の「タクシー&リムジン委員会(TLC)」が2011年に実施したタクシー開発プロジェクト「タクシー・オブ・トゥモロー」のコンペで、4人の乗客と手荷物を収容するゆったりとした室内や膝元スペース、NY市を眺められる広大なパノラマルーフなどが2万3000人の投票者から高い評価を受けてNY市の公式タクシーへの採用が決定。
日産はライバルとなる米フォード製のタクシーなどをおさえてNY市と10年間に渡って「NV200」を独占的に供給する10億ドル規模の契約締結に漕ぎ付けました。
ところが日経新聞などによると、その後日産がNY市へ同車を引き渡す段階になって、これを良しとしない地元タクシー団体などがNY市が管轄する「タクシー&リムジン委員会」を相手取って訴訟を起こして勝訴した模様。
NY州の裁判所は今回の契約の目的がNY市の排ガス量の削減にも拘わらず、導入時点でEVでは無く通常のガソリン車となっている点に言及。
加えて「同委員会がタクシーの車種を統一するのは権限を逸脱している」として地元タクシー団体の訴えを認め、10月に入って「契約無効」との判断を下したそうです。
この訴訟は「NV200」の車両価格が現行の他社製タクシーに比べて割高(約290万円)な設定だったのがコトの発端のようで、複数のタクシー会社の間で従来のようにタクシーの車種を自由に選べなくなる事への不満が高まっていた模様。
おりしも日産は10月9日、同車の量産モデルを東京・銀座で初公開したばかり。
「NV200」のタクシー仕様車は英ロンドン市やスペインのバルセロナ市でも公式タクシーとして導入を予定しているだけに、出鼻をくじかれた形。
今回の訴訟に日産の直接的な関与は無く、同社は「NY州裁判所の判断には失望したが、10月末からの導入は予定通り行う」としており、今後、他社との競合になったとしても、2020年までにタクシーの1/3をEVにしたいとのNY市の意向に沿ったEV版の投入で次世代イエローキャブの座を維持して行く構えのようです。
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