消費増税に「世界から」待った! 政府が自工会など意見聴取 !

政府は20日、消費増税の影響を検証する集中聴取会を8月26日から開催すると発表しました。企業経営者や大学教授ら計59人を招いて増税の是非などの意見を聞き、安倍首相が秋に予定している消費増税の最終判断の材料とするようです。 

Abe

以前に「参院選 自民党圧勝が自動車業界に与える影響」 でも触れましたが、安倍政権内でも増税派と慎重派による路線対立が起きているようで、増税先送り案に加えて増税分割案まで登場している模様。 

①2014年4月(+3%)と2015年10月(+2%)の2段階で増税
②2014年4月から2018年にかけて毎年1%ずつ増税、最終的に+5%
③増税延期 もしくは凍結 

経済アナリストによれば、どの案にもそれぞれ一長一短が有るようで、実際のところはフタを開けてみないと判らないというのが実情のようです。 

高額商品である自動車は「消費増税」の影響を大きく受ける為、自動車業界にとっては嬉しくない話。 

日銀の黒田総裁によると、2013年度のGDP(国内総生産)成長率は+2.8%の予想、増税する2014年は消費が抑制されて+1.3%にダウンするものの、翌2015年の成長率は+1.5%になるとして予定通り増税しても経済が失速することは無いとの見解。 

Naikakuhu      (出展 内閣府)

そうした中、IMF(国際通貨基金)が先進国の経済政策が世界に与える影響を分析した報告書でアベノミクス効果は約1年先には弱まると指摘。もし構造改革や財政再建などが失敗すれば、10年後に日本のGDPは-4 %下がり、世界経済にも悪影響を与えるとしています。 

また、中央銀行(ドイツ連邦銀行)もアベノミクスによる景気押し上げ策は消費税率の引き上げをきっかけに効果が大幅に小さくなり、2015年以降は、財政の悪化が経済を圧迫すると共に、毎年1%を超える過度の物価上昇が続いて、アベノミクスの効果は一時的なものに終わると分析しています。 

どちらも日本に対して、より具体的な成長戦略の策定を求めている状況。 

Yahoo_01Yahoo_02
 日経平均株価推移 (出展 Yahoo)    米ドル為替推移(出展 Yahoo)

ところでデフレ脱却を目指す最中に何故「今」消費増税なのでしょうか。 

新聞報道などによると、財務省や日銀はその理由を「日本は大幅な財政赤字が続いており、諸外国に比べてGDPに対する債務残高比率が高い為」と説明しています。 

確かに日本の「財政赤字」を政府が大量の国債発行で穴埋めしていますが、諸外国のように他国から借金している訳では無く、国債発行(借金)先の9割以上は日本の金融機関(国民の預金)。  

だからこそ日本は財政赤字を抱えながらも債務不履行に陥らないばかりか、新興国に多額の資金援助をする程の余裕が有るという訳ですが、ココを前面に出さずに財務省やメディアが危機感を煽っているフシも見受けられます。 

財務省が増税を急ぐ背景は日本が民主党政権時代に1990年代から拡大しているプライマリーバランス(基礎的財政収支)上の赤字を2015年までに2010年比で半減、2020年までに黒字化すると国際公約している為とされています。 

こうした流れを踏まえ、政府は8月26日~31日の6日間で有識者から消費増税に関する意見を聴取する考え。 

Toyoda

麻生副総理(財務・金融担当相)や甘利経済再生担当相、日銀黒田総裁、経済財政諮問会議の民間議員らが聴取するようで、日本自動車工業会の豊田会長らが意見を述べる予定になっているようです。 

何れにしてもアベノミクスによる経済効果がまだ大企業から傘下の企業まで波及し切っていないこともあり、政策効果をよく吟味して「国民生活の向上」と「日本の国益」を最優先した取り組みをお願いしたいもの。 

自動車業界にとってもいよいよ目が離せない局面にさしかかろうとしています。 

■内閣府 2013年4-6月期 GDP速報
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf

■総務省統計局(消費者物価指数 CPI)
 http://www.stat.go.jp/data/cpi/index.htm 

〔関連記事〕
・アベノミクスで取り戻せるか? 自動車各社の国内設備投資
 https://clicccar.com/2013/08/05/226932/  

・愛知県大村知事 消費税増の自動車産業へのダメージ対策要請 !
 https://clicccar.com/2013/07/30/226455/ 

・参院選 自民党圧勝が自動車業界に与える影響
 https://clicccar.com/2013/07/26/226100/ 

・クルマは消費税増税前に買うべきか!? 増税後に自動車取得税は
 減額・廃止案も浮上
 https://clicccar.com/2013/07/22/225800/ 

・業績回復は親会社だけ?自動車産業を支える中小企業の実情とは?
 https://clicccar.com/2013/07/10/224858/ 

・アベノミクスなんてウソ?2013年度国内自動車販売が早くも前年割れのワケとは
 https://clicccar.com/2013/04/30/218857/ 

・自動車業界への「アベノミクス」効果は今後も期待できるのか?
 https://clicccar.com/2013/04/02/216553/

  (Avanti Yasunori) 

この記事の著者

Avanti Yasunori

Avanti Yasunori 近影
大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからのクルマ好きで、免許取得後10台以上のクルマを乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。