「トヨタ、ホンダ、日産、三菱自が充電インフラ整備で協力する訳とは? 」でも触れたとおり、政府がEV・PHVの拡販に向けて準備した充電インフラ整備資金1005億円を活用すべく自動車4社が動き出しています。
そもそも政府が水素を燃料とする「究極のエコカー」ことFCV(燃料電池車)の早期普及を支持する一方で、電気自動車の拡販を後押しする背景には「原発」の有効活用が前提に有ると言われています。
と言うのも、一旦動かすと都度止めることが出来ない原発の都合上、余剰する深夜電力をEV用に拡販する狙いが有ったようですが、3.11に伴う東電福島原発事故により、その流れが頓挫。
その後、電力各社が原発の代替として火力発電に切り替えたことで、燃料費負担増を理由に電気料金の値上げに踏み切っており、これが進まないEV普及をさらに足踏みさせる一因に。
今回、異例の1005億円にのぼる補助金を準備して電気自動車の普及を政府が後押しする背景には、そうした原発再稼動への思いが見え隠れします。
究極のエコカー「FCV」の一般発売が2年後に迫っていることも有り、EVを主力とする日産や三菱自が、政府からの莫大な補助金を後ろ盾に、HVを主力として静観していたトヨタやホンダを巻き込んで、一気にEV・PHV拡販に打って出たとの見方も。
特にEV主力の2社には用意された予算が消費期限の2014年2月末までに使い切れない場合、以降補助金が降りないかもしれないとの危機感が有ったのかもしれません。
一方で、こうした政府や自動車各社がEV普及で色々と苦慮する背景には航続距離の課題を克服する安価で高効率な高性能バッテリーが未だ開発出来ていない事が根源に有る事も見過ごせません。
その観点では本来、全国のガソリンスタンド数の3倍近い10万基に上る充電器設置に向けた補助金よりも、もっと早い段階で高性能な電池開発に多額の研究資金を投入すべきだったのでは? とも感じる次第。
■次世代自動車振興センター
http://www.cev-pc.or.jp/hojo/hosei_index.html
■CHAdeMO協議会
http://www.chademo.com/wp/japan/
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