クラストップの燃費と環境性能の秘密はこれだ!【三菱ふそうキャンター エコ ハイブリッド モデルチェンジ】

モデルチェンジした三菱ふそうキャンター エコ ハイブリッド。

その要となるのはパラレル式ハイブリッドシステムと新型3Lエンジン、デュアルクラッチ式自動ミッションとブルーテックテクノロジーです。

新型の3L直噴ディーゼルターボエンジン4P10(T2)は最高出力130ps/3050〜3500rpm、最大トルク30.6kgf・m/1300〜3050rpmというフラットなトルク特性を発揮します。

 

4P10(T2)は新型コモンレール式高圧燃料噴射システム、ピエゾインジェクター、高精度クールドEGRシステムを投入し、高効率な燃焼を実現。またアイドリングストップ機能も備えました。

 

エンジンの高効率燃焼によって、エンジンから出る粒子状物質(PM)を抑制しますが、発生したPMは再生制御式DPFでさらに減少させます。

 

それだけではありません。NOx(窒素酸化物)を分解するためにAdBlue(尿素水)を噴射するブルーテック排気後処理装置も組み合わせて、環境性能を向上させています。

これが尿素水タンク。

 

そしてこれが尿素水噴射装置です。

そそてSCR触媒とSCR後段酸化触媒で排気ガスをさらにクリーンにします。

 

ハイブリッドシステムは駆動力をエンジンとモーターが協調制御するパラレル式を採用。

 

新開発のリチウムイオンバッテリーは電圧を下げてスリム化しつつ。容量は7.5Ahと従来よりも36%アップ。スチール製のボックスに守られているほか、高電圧遮断スイッチを備えて非常時に対応しています。

またバッテリーマネジメントシステムも導入しました。

デュアルクラッチ式AMT、DUONICは偶数段にモーターを接続する構造を採用。

奇数段はエンジンの回転力で走行して、モーターはエンジンのアシストを行ない、偶数段ではエンジンの回転力とモーターの回転力を制御して走行します。なお偶数段ではモーターのみの走行も可能で、クリープ制御も行ないます。

ブレーキは回生ブレーキを中心として、エンジンブレーキが補助をします。排気ブレーキも装備しているほかABSとEBD(電子制御制動力配分システム)を全車に標準装備しました。

これらの装備でリッター12.8kmの低燃費とポスト新長期排出ガス規制の適合、そして低排出ガス認定車と九都県指定低公害車、平成21年「超」も取得しました。

さらに全車で平成27年度重量車燃費基準の20%以上オーバーも達成。エコカー減税では自動車重量税と取得税が免税されます。

新型キャンター エコ ハイブリッドは、まさに地球にやさしい小型トラックとなりました。

(ぬまっち)

【写真ギャラリーをご覧になりたい方は】 https://clicccar.com/2012/05/18/154418

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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