バーチャルなデジタル技術とリアルで地道な作業の両方が大切です!【ホンダフリードハイブリッド&フリードスパイクハイブリッドのすべて/デザイン編】


フリードハイブリッドの外装の主な特徴は、ガソリン仕様のエアロバンパーに、クリアブルーのヘッドライトとグリルを装着した点にあります。またフリードスパイクハイブリッドでは、バンパーはガソリン車と共通ながら、やはりクリアブルーのライトとグリルで、ハイブリッド仕様を演出していますね。
両車とも実質グレード追加のマイナーチェンジに近いので、今回はホンダのデザインプロセスを中心に紹介したいと思います。


まず興味深いのが空力で、最近流行りのフロントバンパーの両サイドに張り出すエラの効果について、ウレタンを実車に張って検証。更に1/4のクレイモデルを使って、空力性能を煮詰めていったそうです。
そしてデザインでは、実車大のデジタルモデルを大スクリーンにCG投影して、デザインを検討・決定していくのですね。立体感溢れるバーチャルCGを見ると、流石はデジタル時代だと感じずにはいられません。
ちなみにフィットハイブリッドの時には、この後すぐにバンパー等の製作に入ったそうです。しかしフリードチームは、是非とも1/1クレイモデルで検証したいと考え、フロント部分だけを作成しました。左右非対称のクレイモデルなら、他のすべて本で見た記憶がありますが、顔だけのクレイモデルは珍しいですよね。しかも製作は、NCマシンではなくモデラーさんの手作りですから、魂こもっています。
最後は実車に新バンパーを取り付けて、風洞実験を行い、空力性能を確認したのだそうです。


また内装では、インパネの手前面と2段目縦面をシルバーに加飾しています。これも実車に新色パネルを張って確認したそうで、巨大なインパネが締まって見えるようになったと感じました。

デザインの世界では、バーチャルなデジタル技術が活用され、開発の効率化とスピードアップが図られていました。一方で、実車を使った空力実験やクレイモデル作成といったリアルで地道な作業も、大切なプロセスなのですね。デザインは、本当に奥が深いと感じた次第です。

(拓波幸としひろ)