電気自動車のバッテリーで普通の家電を動かしたい

三菱自動車から5月30日に発表された「i-Miev」のバッテリーで炊飯器などを動かす装置を年内に発表する」というリリースは、少なからず衝撃を覚えました。震災の状況からの要望があったから、ということになっていますが、実際にできればスマートグリッドの基礎技術の一つにもなりえます。

今現在でもシガーライターから100Vを取り出すインバーターはカー用品店でも売っていますが、出力はせいぜい100W程度。しかし三菱自動車は炊飯器を動かす程度の電力を取り出す装置を、と言っているので1500Wは取り出せる計算になります。

電気のやりくりで変わってくるかとは思いますが、i-Mievのリチウムバッテリーには一般家庭の1.5~2日分の蓄電容量があります。災害時などでの緊急の電源としては十分な量がすでに確保されていると言うことになります。調理器具などが使えれば災害時の食事、照明器具などが使えれば医療など1500Wといえども侮れない実力があります。

電力が貯めておけるということの可能性は、使い方次第でどんどん広がってきます。まずは貯めておいた電気を取り出せる装置を作る、という英断をした三菱に拍手を送りましょう。

 

(北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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