大クラッシュで話題となったマカオグランプリって、どんなレース?

11月18日にNHKなどのテレビや新聞などで大クラッシュが報じられた2018年のマカオグランプリ。

このクラッシュに巻き込まれたF3ワールドカップに出場の坪井翔選手は、搬送先の病院での検査の結果無事が確認され、レースはリタイアとなりましたが無事に帰国しています。

また大クラッシュを起したソフィア・フローシュ選手も手術が成功し、クラッシュに巻き込まれたマーシャルなども大怪我ではあるものの生命の危機はなく、救急搬送された日本人フォトグラファーも一晩の検査入院の末に無事に帰国しています。

この大クラッシュからマカオグランプリへ注目が集まっていますが、そもそもマカオグランプリとはどのようなレースなのでしょうか?

マカオグランプリは今回(2018年開催)で65回という歴史を持ちます。その始まりは1954年で当初は当時植民地として支配していたポルトガル人や香港を植民地にしていたイギリス人などの自動車愛好家が集まってポルトガルのマカオ政庁に道路封鎖許可を取って開催した草レースで、その後香港や華僑、東南アジア諸国の富豪などが参加し規模が拡大していったといわれています。

1960年代から本格的なレースへと移行をはじめ、1970年代には日本メーカーも直接参戦するようなものとなって行きました。その中でも1974、75年に市販車を改造したクラスでトヨタ・セリカにより2連覇した舘信秀さん(現TOYOTA TEAM TOM’S代表)の功績は「マカオの虎」としてマカオグランプリの歴史に名を刻んでいます。

今回のマカオグランプリではメインレースとしてFIA F3ワールドカップ、FIA GT3ワールドカップ、WTCR世界ツーリングカーカップが18日の日曜日に開催されます。

FIA F3ワールドカップではF3レースを開催する世界のあらゆる国や地域から28台が参戦。それも各地域のトップクラスの選手がやってきます。なぜかといえば、道幅が狭く路面の悪いマカオで勝つためにはマシンやテクニックの他に勝負強さと運が必要で、そのマカオでのF3優勝はF1への最短ルートといわれているからです。

日本でもスーパーフォーニュラーにスポット参戦したダニエル・ティクトゥム選手は昨年の優勝者で今年は2連覇を狙います。そしてフェラーリのスカラシップから成長してきたあのミハエル・シューマッハさんのご子息であるミック・シューマッハ選手も参戦しています。

日本からは先述の坪井翔選手のほかに、今回日本人選手最上位となった宮田莉朋選手やスーパーフォーミュラーやSUPER GTで大活躍中の関口雄飛選手、その他総勢8名の日本人選手が参戦しています。

件のクラッシュの後、一時間ほどの中断を経てレースは再開され、優勝はダニエル・ティクトゥム選手でマカオGP史上3人目の2連覇を達成。日本人最上位は宮田莉朋選手の14位となります。

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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