OPT独占! 超大物企画、HKSが挑んだ高速極限耐久とは? その1【OPTION 1984年12月号より】

この時代、ハイパワー最高速マシンの主役ともいえるのがソアラです。当時の最高速ランキングに君臨する大川ソアラを筆頭に、各メーカー&ショップもソアラをベースに様々なチューンドカーを生み出していました。

ここに登場するHKSのスーパーソアラ「C240」もその1台です。OPTが独占取材をした、高速極限耐久とはなんぞや? その一日を追ってみましょう。まずはC240のメカニズムチェックから。

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OPT独占レポート 高速極限耐久に挑む!
HKSニューコンセプトカー スーパーソアラC240

スーパーソアラC240……チューンドカーの新たなる地平を開くニューマシンが、今、テイクオフした! このマシンはHKSが総力を集結して作り上げたニューコンセプトカーである。BMW633をベースとしてアルピナがB7ターボを作るように、ソアラをベースにHKSがメイクしたマシンがコイツなのだ。HKS・C240、単にそう呼ぶほうがより相応しい。ツインターボを得て、トータルチューニングされたマシンが、谷田部テストコースに、スーパーカーとして真の実力を問う!
完全メカニズム解剖・これがオーバー240km/hクルージングカーC240だ!

今回のチャレンジマシン、HKSスーパーソアラC240は、トヨタのソアラ2.8Lをベースにチューンアップしたものだが、チューニングポイントはパワーユニットにとどまらない。サスペンション&ブレーキ、タイヤ&ホイール、それにボディと、トータルチューニングが施されている。つまり、アルピナ的なチューンドコンプリートカーというわけだ。

250km/hで巡行するにはそれなりのパワーソースが必要であり、それをささえる「足」が必要。また省燃費をもたらし、直進安定性・操安性を良くするためのボディ形状にもリファインの手が入れられている。

さらに、チューンドコンプリートとして、オリジナルのシートまで手掛けられている点にも注目だゾ。

C240はボディデザイン及び空力パーツにも大注目だ。これはアン・クラフトの青木氏の手によるデザインで、1/5サイズのモックアップモデルを作り、谷田部での風洞実験を何回も繰り返して作られた本格的なもの。

実験の方法としては、スポイラーを付けた状態と付けない状態の両方をテストし、Cd値とCL値が少しでも向上するようにスポイラーをメイク&トライしている。その結果、250km/hという高速で走行する時に重視される直進安定性操安性は著しく向上している。その点、Cd値より重要なフロントのリフトを示すCLf値はノーマルが0.18に対してマイナスの0.34という好データが得られているのだ。

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HKSが社運をかけ挑んだ、この超高速耐久走行。次回は、このC240をテストしたDai稲田をはじめとしたドライバーの声をプレイバックします!

[OPTION 1984年12月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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