コンチネンタルが「Toyota Safety Sense C」開発で「技術開発賞」を受賞。その意義とは?

ドイツの自動車部品大手のコンチネンタルは、トヨタの衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」の開発への貢献で、トヨタから技術開発賞を受賞したと発表しました。

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トヨタ衝突回避支援パッケージにはプリクラッシュセーフティ(PCS)、レーンディパーチャーアラート(LDA)、オートマチックハイビーム(AHB)といった、ドライバーをサポートする機能が含まれており、パッケージ化することで、衝突回避の支援、車線逸脱による衝突事故の回避支援、夜間走行時の安全性向上、といった交通事故予防における3つの主要な分野に対応しています。

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トヨタの「2016グローバル仕入先総会」で行われた授賞式で技術開発賞を授与された、コンチネンタル・コーポレーションの取締役会会長のエルマー・デゲンハート(Dr. Elmar Degenhart)氏は

「大切なお客様からこのような賞を頂戴しましたことは、非常に名誉なことであり、安全性の向上を目指す、これまでの努力が認められたものと思っています。145年の歴史をもつドイツ系テクノロジーカンパニーとして、高品質と安全なモビリティを追及されるお客様を、今後もサポートしてまいります。」

と受賞の喜びを語りました。

コンチネンタルが受賞したトヨタの技術開発賞は、最新技術によりトヨタの商品力向上に大きな成果をあげた仕入先に贈られるもので、受賞の対象となった統合センサーモジュールMFLは、カメラとレーザーレーダーを単体のコンパクトユニットに統合したものです。

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このセンサーモジュールは車両前方の障害物を検知し、衝突の危険がある場合にはドライバーにブザーとディスプレイ表示で警告します。

万が一、衝突が避けられないとクルマが判断した場合には、自動ブレーキで衝突回避、または衝突被害軽減をサポートします。このPCSに加え、MFLは車線逸脱による事故に備えるLDAの他、AHBといったToyota Safety Sense Cの機能実現に貢献しています。

コンチネンタルは、このセンサーモジュールをトヨタが世界で販売しいる10車種以上に供給しています。

最近、自動車業界では系列やグループの枠から外れた取引が広がっており、従来ではトヨタ系の自動車部品会社との取引がほとんどを占めていたトヨタに、コントネンタルが今回のセンサーモジュールの納入で成果を挙げたことが注目されます。

今後ますます系列やグループの枠を越えた自動車部品のサプライチェーンが形成されることが予想されます。

(山内 博・画像:コンチネタル・コーポレーション)