プリウスαの納期問題を緩和するプリウスのお買い得な特別仕様車

昨年10月に発売されて、プリウスの人気グレードになっている特別仕様車「LEDエディション」に新色が追加、8月1日から発売されます。

ここまででしたら「あらそう」で終わってしまうのですが、なぜ今この時期に? というのが気になります。

震災の影響で思うようにクルマが製造できず、さらにプリウスαが1年以上待ちの状態です。ここでバリエーションを増やすことは、生産効率的には決して良い話ではないでしょう。それに特別仕様車の仕様が途中で変更されることも、珍しいことだと思います。

そこでまず追加された内容ですが、ボディカラーにブラック、レッドマイカ・メタリック、特別色のライトブルーマイカ・メタリック、そしてブロン・ズメタリックを追加し、全8色としています。

さらにSのLEDエディションには従来のアクアに加えて、落ち着つきのあるミディアムグレー内装およびミディアムグレー×ブラックのスウェード調ファブリックシートを採用。さらにGのLEDエディションには新たにブラック×ブラウンの本革シート(運転席&助手席シートヒーター付き)を設定。

つまり一見カラーが増えただけのようですが、仕様、装備が充実しているのです。

そこで充実した理由を考えてみますと、お買い得なモデルを設定することで、逆に生産効率を上げようとしているのではないでしょうか?

震災後、優先してハイブリッド車の製造を始めたように、プリウスはトヨタにとってドル箱なわけです。しかし様々な仕様を製造しようとすると、トヨタ自慢のカンバン方式が正常に作動していない現在、納期に時間がかかってしまう。そこで誰もが欲しがる仕様を作れば、製造を集中できるというわけです。ディーラーも「お得な特別仕様車なら納期が早いです」というセールストークも成立します。

人気のLEDヘッドランプや本革巻きステアリングが付くわけですし、本革シートも選べるわけですから文句はないでしょう。つまりこれ、プリウスの納期を縮めるために製造モデルを集中するということではないでしょうか? 

特別仕様車は仕様を限定して(効率を上げて)価格を抑えるというのが一般的ですが、このご時世だけに、お買い得という点で集中させるという手段は非常におもしろいと思います。

そしてもう一つ考えられるのが、やはりトヨタ自慢のカイゼンです。

プリウスはとにかく売れていますから、走っている台数が非常に多いです。そこで特別設定色を増やせば、より自分の好みを反映でき、嬉しいという方は多いでしょう。

また得に年配層ですが、インテリアカラーに落ち着いた色を求める方が大勢います。ブラック系の内装も、要望に応えたということではないでしょうか?

いずれにせよ、プリウスのお買い得グレードが誕生したというわけです。

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http://toyota.jp/prius/led/

特別仕様車 S LEDエディション(ライトブルーマイカ・メタリック)

(佐藤みきお)