クスコでおなじみのキャロッセがクワイフLSDを扱う理由とは【東京オートサロン2015】

東京オートサロンは、カスタムカーの祭典で、クルマ作りのトレンドが感じられる場でもありますが、自動車パーツ業界の 意気込みや、新しいチャレンジへの発表が数多く行なわれる場でもあるのです。

2015年の東京オートサロンでは、LSD(リミテッド・スリップ・デフ)という、普段は目にすることの少ない部品ながら、スポーツ走行には欠かせないパーツについて、大きな動きが発表されました。

その発表をしたのは、『CUSCO(クスコ)』ブランドで自動車用パーツの製造・販売を手掛けるキャロッセです。

ディスク間の摩擦によりLSD効果を発揮するプレート型LSDでは、国内トップブランドであるクスコLSDを展開するキャロッセが、なんとヘリカル型LSDのトップメーカーであるイギリスのRTクワイフエンジニアリング社の正規代理店となり、同社のヘリカル型LSD「ATB (オートマチック・トルク・バイアッシング) LSD」を取り扱うというのです。

 

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アフターパーツとして複数のLSDを扱うことに疑問もありますが、ヘリカルギヤの摩擦を利用したヘリカル型LSDは、いわゆるLSD効果ではプレート型よりも劣る傾向にありますが、コンパクトさではヘリカル型に歩があるといった風に、異なる特徴を持っています。

もともとクスコブランドのプレート型LSDにおいても、ユーザーニーズに合わせて、内圧式と外圧式という異なるタイプをラインナップしているキャロッセですから、LSDの多様化には理解も勝算もあるのでしょう。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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