以前に「通行人もビックリ! メルセデスが消えるBenzを開発! 」でLEDマットを使ってクルマの姿を消す技術をご紹介しましたが、今回は車庫入れや縦列駐車の際に車両後部が、透ける技術のご紹介です。
最近ではバックモニターやパーキング・アシスト機能の普及で、小柄な女性が大型ミニバンを楽々車庫入れする光景を見かけるようになりましたが、デザイン上の理由で後方視界の悪いクルマなどでは障害物が目視できず、何かと不安がつきまとうもの。
慶応大学の稲見教授率いる研究チームが開発した「クルマの後部を透明化する技術」を使えばそんな不安も解消します。まずは映像をご覧下さい。
如何ですか? 小型カメラや高性能なプロジェクターが普及している現在では意外に現実的な技術と言えるかもしれません。この「光学迷彩システム」は10年ほど前から存在しますが、いよいよ製品化に近付き始めていると言います。
この「透明プリウス」のシステムは、後方の背景を動画撮影し、その映像をプロジェクターからヘッドレストにセットしたハーフミラーを経由して後部座席に投影することで透明に見せており、ドライバーはハーフミラー越しに後方を見ることに。
投影面となるリヤシートには再帰性反射材で作られた多数のビーズが織り込まれています。
その原理を説明した動画がこちら。
バックモニターを参考にしながらの車庫入れとは異なり、後方を直視できるのでリアル感大。このクルマに乗ると「ガラス製のクルマを運転しているように感じる」と言います。
「透明化する技術」と言うと、何だかSFっぽい話のように聞こえますが、既にPIONEERのサイバーNAVIでもハーフミラー越しに実像と映像をミックスして見せる技術は実用化されており、商品化の実現性は高そう。バックギアと連動させれば便利さもアップ。
この技術の最大のネックは後席に人が乗車中の場合は使えないことでしょうか。
高感度なカメラを使えば夜間でも明瞭な後方視界を確保できそうです。いずれどこかのメーカーが商品化する日が近いかもしれません。